走りながら、考えよう


「彼は、走りながら考えているからね」

かつては、この言葉はいい意味では使われませんでした。

しっかりとチームでコンセンサス作りに時間をかけて、問題点と解決策を合意した上で、動くことが大切でした。だから、

「…もっと、ちゃんと考えればいいのに」
「…もっと、周りと話し合ってから動けばいいのに」

そのように見られることが多かったですし、実際に走りながら考えて仕事を進める人は、なかなか成果を出せずに消耗することが多かったのです。

 

しかし最近は、違ってきました。
簡単に言えば、「スピード命」の時代になったからです。世の中の変化が激しくなり、コンセンサス作りに時間をかけて合意しても、その時点で状況が変わってしまっていることが多くなったのです。だから、

「彼は、走りながら考えているからね。行動力があるよね」
「…動いた結果で最初の考えを変えるのも厭わない。柔軟だよね」

こんな意味で使われることが多くなりましたし、実際にそういう人は成果を挙げることも多いのです。

 

本コラムで提唱している「お客様が買う理由」も、そうです。

「自分たちの強みは何か?」
「その強みを必要としているお客様は、誰か?」
「そのお客様は、何を必要としているか?」
「お客様が私たちを選ぶためには、どうすればいいのか?」

これを考えることは大切です。しかし「お客様が買う理由」を考えるのに時間を使い過ぎて何も動かないのは、本末転倒です。

その理由は、シンプルです。最初から完璧な戦略を作ることはできないからです。

だから、まずは大まかに仮説を考えた上で、すぐに動いてみる。
そしてその結果をもとに、また考えてみる。
最初に考えた「お客様が買う理由」も、柔軟に修正していく。

「仮説を立てた後は、走りながら考え、戦略を修正していく」ことが大切なのです。

 

 

 

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