朝時間活用で、残業ゼロを実現する方法


「今日も残業かぁ…」

こんな経験をされている方は、多いのではないでしょうか?

 

私は海外にいるIBMの仲間たちと仕事をしていて、驚いたことがあります。彼らは普段、ほとんど残業をしないのです。

日本人の労働生産性は、低い状況が続いています。OECDの調査によると、15-64歳男性の1日あたりの総労働時間は、OECD諸国の平均が350分未満なのに対して、日本は450分でダントツトップ。また労働生産性はトップのアイルランドやルクセンブルグの半分。米国の6割。あの経済破綻の危機に見舞われているギリシャよりも低いのです。

日本人は、生産性が低いまま、長時間働き続けているのです。

 

生産性とは「成果÷時間」です。同じ成果を挙げるのに、より短い時間で済ませば、高い生産性になります。

しかし日本人は長年、仕事を「時間無制限一本勝負」だと考えていました。残業大好きな人も多いですし、頑張ること自体が目的になっている人も少なくありません。

バブル期には、こんな上司もいました。「オレは、同じ成果を出すなら、定時退社のヤツよりも、深夜まで頑張っているヤツの方を、評価するね」

今ならパワハラ上司ですが、当時はこう考える人も多かったのです。

 

いまは大きく変わっています。いまや仕事は、「時間無制限一本勝負」ではなく、「時間制限一本勝負」なのです。

そのためには、仕事の密度を濃くすることが必要です。

では、どうすればよいのでしょうか?

 

業種や職種に関係なく、現代のビジネスパーソンの仕事の多くは、知的作業になりました。知的作業は、アイデア勝負です。

たとえばエンジニアは、技術的な課題をいかに解決するアイデアが必要です。
営業は、お客様のニーズを把握し、その解決策を考えるアイデアが必要です。
アドミ系の人も、業務の効率を高めるアイデアが必要です。

よいアイデアを次々と生み出せるようになれば、生産性は大きく高まります。同じアイデアを生み出すのに、1時間かかった場合と、10分かかった場合を比べると、後者は6倍の生産性です。

難しいことのように思えますが、実は頭がフレッシュな朝時間を使えば、後者のアイデアを生み出しやすくなる状況は、意外と簡単に創り出せます。

具体的には、早朝にオフィスに出社したり、サテライトオフィスで仕事をすることで、この生産性6倍の状況を生み出せるのです。

 

しかし、中にはこういう人もいるのではないでしょうか?

「そうは言っても、自分は夜型なので、朝が苦手で…」

 

実はかく言う私は、20年前までは典型的な夜型人間でした。就寝は午前2時頃。起床は8時過ぎ。残業が多い→帰りが遅くなる→起床も遅くなる、という悪循環でした。「自分は夜型人間だ」と思い込んでいました。

しかし10年前に朝型に切り換えてみたら、最初の1週間こそちょっとキツいと感じたものの、慣れてしまえば快適だったのです。実は最初のキツいと感じた1週間は、海外旅行の時差ボケのような状態だったのです。

自分が朝型か夜型かは、自分では意外とわからないものです。実際には先入観で決めつけていることも少なくありません。

 

朝型に切り換えるには、ちょっとした工夫が必要です。

まず、早く退社すること。
そして早く寝ること。
こうすることで、早く起床し、早朝時間を活用できるようになります。

 

さらに朝時間に6倍の生産性を生み出すためにも、ちょっとした工夫が必要です。

実は、データ入力のような定型業務は、どんなに頑張っても6倍にはなりません。朝時間に集中的に行うべきなのは、アイデアを考える作業です。そのためには、前日の午後からアイデアを仕込むための準備が必要になります。

 

6月15日に出版する『残業ゼロを実現する「朝30分の仕事術」』では、この朝シフトにより残業ゼロを実現する方法を詳しく紹介しました。

私はハードワーカーが多い日本IBMで30年仕事をしてきましたが、私は40代後半以降は残業ゼロでした。その秘密が朝時間活用。残業しない分、プライベートを充実させて、会社員時代に本も出版しました。このノウハウを本書に凝縮しています。

「生産性を高めて、残業をゼロにしたい」という方に、お役に立てば幸いです。

 

また、2017年7月5日(水)に行う朝活勉強会「永井塾」では、本書に書いた内容をご紹介し、参加された皆様と議論していく予定です。是非ご参加下さい。

 

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