『「御社は敷居が高い」って、言われたんだけど…』


講演のQ&Aタイムに、こんなご質問をいただきました。

「お客様から、『御社の商品は敷居が高いですね』と言われたんです。
 当社は高級食材を高価格で定価販売しています。
 このお客様のご意見は、どのように考えればいいのでしょう?
 当社の強みと考えればいいのか、弱みとして考えればいいのか…?」

ご質問の姿からも、お客様の声に誠実に向き合っている姿勢が感じられました。
あなたは、この質問に対して、どう考えますでしょうか?

私は次のようにお答えしました。

 

最初にお客様が「敷居が高い」と考えていることは事実です。
これは事実としてまず受け止めたいですね。

その上で、これをどのように解釈して行動すべきなのか?
それが「これをどうするか?」という考え方、いわゆる「戦略」です。
たとえば「敷居が高い」というお客様の声に対しては、いくつかの戦略が考えられます。

→現在の商品の敷居を下げて、もっと広めよう。
これは敷居が高いことが商品普及の障壁になっている、という考え方です。
現在の商品をより拡販したいのであれば、お客様がもっと買いやすくなる戦略を考えます。
(但し、値段を下げるのは出来る限り避け、あくまで最後の手段として考えるべきです)

→もっと敷居を高めてしまって、ブランド価値を高めよう
現在の商品の売れ行きが満足いくものであり、さらにブランド価値を高めたいと考えるのであれば、この手もあります。より高級感があるパッケージングにしたりして、より高級品を求める顧客にアピールしていきます。

→新たに、敷居が低い商品群を作ってしまおう。
現在の商品のブランドは維持した上で、別ブランドで、より敷居が低い商品を開発して、顧客を広げるパターンです。これまで高級車中心だったベンツが、CクラスやAクラスという普及版ベンツを販売するのもこの戦略です

→敷居が高いままにしよう、
あえて何もせず、現在のブランド戦略を維持するのも、これはこれで一つの戦略です。ただ、お客様は常により贅沢によりワガママになっています。ブランド戦略を維持する場合でも、常にブランド価値向上に努力し続けることも大切です

 

このように、「お客様の声はまず事実として捉える」→「現状認識する」→「その上で戦略を考える」というように、分けて考えるとよいのではないでしょうか?

 

 

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