間違いだらけの仮説検証。ダメな3パターン


「仮説検証に取り組みましょう」というと、こんな答えがよく返ってきます。

「仮説検証?そんなの当たり前にやっていますよ」

しかし実際にちゃんと仮説検証プロセスが回っているのは、驚くほど少ないのが現実です。

仮説検証プロセスは丸い円で描くことが多いのですが、実際にはらせんのようにグルグル回しながら、あたかもトルネード(たつまき)のように上に進化していくイメージです。

ダメなパターンでは、このトルネードが回っていません。大きくわけて3パターンあります。

■ダメ1:継続しない(1回しか回さない)

こんなパターンです。

「仮説検証、やってみましたけどね。ダメでしたね」
「何サイクル回しましたか?」
「1サイクル回しましたよ」

本来の仮説検証は、何回も回し続けることで学びが急速に蓄積していくもの。1回だけでは学びは溜まりません。

■ダメ2:やりっぱなし(半周しか回さない)

「100%完璧な計画を作ろう」とばかり、計画段階でプロジェクトの大部分のヒトモノカネを投入。根回しも完璧に実施。そしてやって実施します。しかし実際にやってみると問題百出。そこで計画を修正しようとすると、根回しした人たちから「話が違う」と言われたりしてなかなか修正できません。

■ダメ3:そもそも仮説がない(そもそも回っていない)

営業チームで前期の営業成績が悪かった場合の反省会がこうなりがちです。たとえば目標を10%下回った場合、こんな議論をするケースです。

「売上げ目標を達成できなかったのは、X社の案件落としたからだ。営業への指導を徹底しよう」

これは単なる反省会です。対症療法なので問題は再発します。そもそもの仮説がないからです。売上げ目標は仮説ではありません。「その売上げ目標をいかに達成するか」が仮説です。

 

本来の仮説検証はこうなります。

(仮説)現案件40件中、提案20件、成約10件を目指した。
(実行)提案30件、成約9件だった。
(検証)提案は5割増だったが成約が1割減。提案で課題把握が甘かった。
(対応)営業チームで課題把握の徹底を図ろう。

 

仮説検証をちゃんと回せば、問題を生み出している根本原因に近づくことができ、学びが確実に蓄積され、スピーディに成長していくのです。

 

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