「上司がマイクロマネジメントで、困っています」


朝活勉強会「永井塾」で、こんなご質問をいただきました。

「『トルネード式仮説検証で、自発的に考え自由に動こう』ということですが、現実には、上司の中には、マイクロマネジメントが大好きでこと細かに指示しないと気が済まない人もいます。彼らにマイクロマネジメントをやめさせるのは、どうすればいいでしょうか?」

「マイクロマネジメントが好きな上司」…私も経験あります。何かしようとするたびに一つ一つ説明が求められ、「それダメ」「こうしなさい」とこと細かに指示があります。

マイクロマネジメントをする人にも、その人なりの理由があります。

たとえば過去、「ちょっと気になるけど、任せるか…」と考えていたら、やはり失敗。その経験で「やはり気になることは、徹底的にチェックしておこう」と考えるようになる人もいます。

つまりマイクロマネジメントな上司にも理由があり、実際にそれで成果が出ているから続けているわけです。そんな人にマイクロマネジメントをいきなり辞めさせるのは、ほぼムリです。

必要なのは、「ムリにやめさせること」ではありません。
「例外を認めさせること」。言い換えれば、「新しいことを、自由裁量で小さく始める」という例外ルールを認めてもらうことです。

「そうはいっても、ウチのマイクロマネジメント上司が、例外を認めてくれるワケない」

そう思いがちですが、今の時代、どの会社も「いかに新しい価値を生み出すか?」で悩んでいます。そのマイクロマネジメント上司も、例外ではありません。「現場が自発的に考え、自由に動くことで、新しい事業を生み出せる」ことをちゃんと納得すれば、例外を認める可能性も高いのです。

ちょうど「特区」と同じ考え方です。
厳しい規制の中では、新しいことはなかなか生まれません。
そこで公に規制では許されていないことを、特別に試行的に許す地区のことを「特区」といいます。日本政府も地域や分野を限定して「国家戦略特区」を作り、ここで多くの規制を大幅に緩めることで、経済活性化を図っています。(森本学園問題などでいい印象はないかもしれませんが、本来「特区」そのものは素晴らしい仕組みだと思います)

マイクロマネジメントな上司を変えるのではなく、特区を認めてもらうのです。

ちょっと大きな視点で考えてみると、社内の既存のやり方をすべて否定して、壊す必要はありません。確かに既存のやり方も問題があります。しかし一方で、機能している部分も多いものです。

企業の場合、既存事業から大部分の売上が上がっています。「すべてを変えよう」と考え、既存の仕組みを否定して壊してしまうと、企業として存続できなくなります。だから既存の仕組みはそのまま残した上で、その上でプロジェクトチームとして動かしてみることです。

ちょうど図のように、既存の仕組みの上に、新しい層を加えて、新しい層では別ルールを適用するイメージです。

プロジェクトチームを「特区」のように扱うことで、今の仕組みから新しい事業を生み出すことができるのです。

 

 

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