行列が絶えないパン屋と、行列がないパン屋


近所に、行列が絶えないパン屋さんがあります。

普通のパン屋さんは、コッペパン、フランスパン、あんパン、コロッケパン、カレーパンなど…、様々な種類のパンを揃えて売っていますが、ここは1種類の食パンだけ。通常の食パンサイズは432円、その倍のサイズは864円。この2種類のみです。

11時の開店前には毎日十数名の奥様方が行列しています。夕方まで営業していて、常に食パンを焼いているのですが、予約しないとまず買えません。毎日完売です。

先日テレビを見ていたら、この店が『奇跡の「生」食パン』として紹介されていてビックリしました。

実際に私も買いました。『奇跡の「生」食パン』というだけあって、焼かずに生で食べると、これがまたもの凄く美味しいのです。さらに翌日や翌々日になると。さらに熟成して美味しく生で食べることができます。

この店は、最高に美味しい単品の食パンで、味にうるさい奥様たちをトリコにしているのです。

 

実はこの近くに老舗のパン屋チェーン店があります。

先日通りがかると、同じコンセプトの生食パンが、まったく同じ値段で売られていました。「マイスターが心を込めて焼き上げた」とのこと。ただ店頭で平積み状態のまま。並んでいる人はいませんでした。

実際に買っていないので、もしかしたら美味しいのかもしれません。ただ売れないのは、「単なるコンセプトの真似」と思われている可能性もあります。これでは、味にうるさい奥様たちは引きつけられないかもしれませんね。

 

売れている商品を見て「これは売れる!」と考え、形やコンセプトだけを真似しても、本当の強みまではなかなか真似できません。仮にかなりの程度真似ができても、先行ライバルが成功しているほど、二番煎じと思われてしまう。

私たちも気をつけたいですね。

 

 

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