企業組織文化が戦略上重要であることを示す、リソース・ベースト・ビューの考え方


マーケティングの世界で、ジェイ・B・バーニーが提唱している「リソース・ベースト・ビュー」という考え方があります。

これについてまとまって勉強する機会がなかなかなかったので、GW休み中にジェイ・B・バーニー著「企業戦略論」を読んだところ、明確に書いていました。

—-(以下、p.283から引用)—

リソース・ベースト・ビューが示唆するのは、企業にとって最も重要な問いは単に「その戦略がたやすく実行できるか」ではなく、「この戦略と同じ戦略を競合他社が実行する場合と比較して、自社がより実行しやすいか」である。

ある戦略を実行するために必要とされる、価値があり希少で模倣コストが大きい経営資源やケイパビリティをすでに保有している企業にとっては、それらをこれから手当てしなくてはならない企業と比較して、その実行はより容易(すなわち、よりコストが小さいはず)である。

—-(以上、引用)—

つまり、立てた戦略の実行しやすさの比較の問題である、ということですね。

本書では、ある工場の清掃員に自分の仕事上の責務について尋ねて、「僕の仕事は、この会社が世界最高の車を製造・販売するために、この工場をいつもピカピカにすることです」と答えたケースを挙げて、以下のように述べています。

—-(以下、p.282から引用)—

もしも、この工場の上から下まですべての従業員が、自分の仕事をこの清掃員のように定義したとしたらどうだろうか。組織全体として生み出される価値は、とてつもなく大きくなるに違いない。

—-(以上、引用)—

リソース・ベースト・ビューの考え方を学んで、なぜ企業組織文化、社員のモラル、価値観の共有といったことが、企業にとって戦略的にも非常に重要なのか、ということが理解できました。