「顧客価値の式」で、競争力あるサービスを作り込む


現代のビジネスの7割以上は、サービスビジネスです。
サービスビジネスでは、より高い顧客価値を生み出した会社が勝ちます。
サービス化が進むモノづくり企業も例外ではありません。

では、具体的にどうすればいいのでしょうか?

明治大学大学院で教授を務められた近藤隆雄先生のご著書「サービス・イノベーションの理論と方法」を読んでいたら「顧客価値の式」がありました。

顧客価値=(結果品質+過程品質)/(料金+入手コスト)

この式は、実に理解しやすく実践的です。

たとえば身近なところで、私が主催する勉強会「永井塾」ではこうなります。

■結果品質→そのサービスがもたらす結果の品質。たとえば永井塾に参加すると、現場の仕事で役立つ経営戦略を学べます。

■過程品質→サービス提供過程の品質。たとえば永井塾は申込みはWeb、都心の教室で学ぶことができ、お問い合わせには出来る限り迅速に対応しています。

■料金→サービスの金銭的費用。永井塾の場合、朝活3000円/夜学5000円です。

■入手コスト→サービス入手のために必要な料金以外のコスト。朝活は、早起きして交通費をかけて参加する必要があります。

 

顧客価値を高めるには、分子(結果品質と過程品質)を大きくするか、分母(料金と入手コスト)を小さくすることです。たとえば永井塾の例では…

■結果品質を高めるには→勉強会の内容をより業務に即した内容にすること。たとえば夜学では、最初に参加される方々が仕事で抱えておられるお悩みをお伺いし、ホワイトボードに書いた上で講義を行い、最後にお悩みがどのように解決できるかを一緒に考えていきます。

■過程品質を高めるには→サービス提供過程の快適性を向上させること。たとえば資料や動画をWeb配信し、遠方で参加できない方や復習したい方が学べるようにしています。

■料金は→慎重な対応が必要です。料金は品質の代表指標です。要は、高品質でも安価なサービスは安物に見えてしまいます。

■入手コストを下げるには→手間を減らすこと。たとえばやむを得ない理由で当日欠席しても、後日動画で学ぶことができます。

実際には永井塾では参加者の顧客価値を高めるために、毎回参加者にアンケートを取っています。朝活と夜学で累計50回近く実施していますが、常にいただいたご意見をもとに様々な改善を図っています。第1回と比べると今や完全に別物です。

 

このようにサービスの顧客価値の構造を考え、それぞれの要素で何をすればいいかを考えれば、やるべきことは見えてきます。そして顧客からのリアルな学びをもとに、常に改善し続けることが必要なのです。

 

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