永井孝尚ブログ

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「努力はダサい」という言葉を本気にするな

「努力なんて、ダサいよ」
「努力はムダ」
「努力は最小限に。ラクしよう」

世の中にはこう言いながら、なぜか成功している人がいます。
彼らの言葉に騙されてはいけません。

彼らは、たしかに自分がイヤなことは絶対にしません。しかし実は努力はサボっていないのです。「自分が楽しい」と思う分野に絞り込み、努力を努力と感じることなく楽しんでいます。

ちょうど野球少年が毎日、日が暮れるまで夢中で練習するのと同じです。このことをウケのいい言葉で語っているにすぎません。こんな言葉を真に受けて、「努力しないでいいのか」と勘違いして、何もせずにいると、あとで痛い目に遭います。

人間の優劣は、どれだけ努力してきたかで決まります。
財産は親から譲り受けることもあります。
しかし知識やスキルは、他人から買い取れません。努力して自分で身につけるしかありません。すべては、自分で自分をどう支配するか次第です。

イチローや大谷翔平を天才と呼ぶ人は多いですよね。
野球少年だった彼らは、日々努力を重ねて世界的プレーヤーになりました。
「天才」と称賛される人物は、例外なく努力家です。

イギリスの著述家・サミュエル・スマイルズは、150年前に書いた著書『自助論』でこう述べています。

「世界に多大なる影響を与えた人間を見ても、……生まれつき聡明で輝かしい素質を備えた人物は数少ない。むしろ、並の能力にもかかわらず、ねばり強く努力と研究を重ねた末に名声を得た者のほうが多い。いくら才気あふれた人間でも、移り気で忍耐力に欠けていれば、才能に恵まれなくてもひたすら努力する人間には負けてしまう」

才能ある人が、気が向いたときだけガーッとやっても積み重ね効果を得られずに、意外と伸びません。成功するのは、才能がなくても毎日コツコツ愚直に積み重ねる人です。ひたすら積み上げることで、気がつくと、ものすごい量の努力の蓄積で成功に導かれます。

愚直に積み続けることで、時間を味方に付けることができるのです。

好きな分野で、努力を続けましょう。

 

 

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演じても、すぐバレる理由

人間には他者のわずかな感情や行動の表現を読み取る仕組みが備わっています。

瞬時かつ無意識に、他人の行動や感情に対して脳が反響するのです。

他人の笑顔を見ると無意識にこちらも笑顔になったり、つくり笑いを見ると無意識に不快な感じがしたりするのもこのためです。他の誰かが感情を押し殺し怒っていると、自分では気づかなくても血圧が上昇することもあります。

これは共鳴(レゾナンス)と呼ばれるプロセスです。

リーダーの中には「自分は完璧で、知的で、強いリーダーだ」とムリに見せようとする人がいます。しかしそんな人に対して私たちがビミョーな違和感を覚えるのも、この共鳴のおかげです。

私たちは相手を一瞬見るだけで無意識に本心を偽っている人がわかるのです。要は「ウソはすぐバレる」ということです。

逆に弱みを隠そうとしないリーダーと接すると、私たちは「この人はウソを言わない。誠実で信頼できる人だ」と敏感に察して、心地よさを感じるようになります。そして部下は、そんな上司を思い浮かべるだけで、ポジティブな感情がわいて絆も感じるようになります。

もちろん「弱みしかない」のリーダーはちょっと考えものです。しかしどんなに強い人でも必ず弱さはあるもの。その弱さは、必ずしも隠し続ける必要はない、ということです。

演じていても、すぐにバレます。 一方で首尾一貫した言動をする人に対しては、人は信頼感を持つようになります。 そのためにも、常に率直なコミュニケーションを心がけたいものです。

 

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朝活永井塾 第55回「流通チャネル戦略」を行いました

9月8日は、第55回の朝活・永井塾でした。全国からのご参加をいただき、有り難うございます。

テーマは『流通チャネル戦略』でした。

商品を売る方法は、自分で直接売る以外にも様々な方法があります。ショップや問屋を開拓して売る、代理店経由で売る、ネットで売る、等々です。 このような商品販路をチャネルといいます。

このチャネルをいかに構成して、管理するかを考えるのがチャネル戦略。チャネル戦略はマーケティング・ミックス(4P)の重要な一つです。 

チャネル戦略で、戦略の打ち手は増えますし、自社で販路をもたなくてもチャネル戦略を考えれば、販売力を強化できます。 

しかし現実には多くの企業が、製品・価格・プロモーションの戦略は考えますが、チャネル戦略は放置されて手薄になっていることも多いのです。昔からの付き合いがある取引先の問題など、複雑な利害関係が絡んでいるので、ついつい後回しにされがちだからです。 

だからこそチャネル戦略の見直しは、着手すると効果が上がりやすい施策でもあります。 

そのポイントは「顧客視点」です。今さら言うまでもない、当たり前のことですが、現実にはほぼ小売店や問屋任せで、消費者が何を求めているかを全く把握していないメーカーの営業責任者は実に多いのです。

これではとても「顧客視点」とは言えません。 

そこで今回の朝活・永井塾では下記の本を定番本にして、チャネル戦略変革のポイントを学んでいきました。

 『流通チャネルの転換戦略』(V・カストゥーリ・ランガン著)

ご参加下さった皆様、有り難うございました。

【プレゼン部分】

またリアルタイムに参加できなかった方々には動画配信をお送りしました。

次回の朝活勉強会「永井塾」は10月6日(水)。

テーマは「ショッピングの科学 なぜこの店で買ってしまうのか」です。申込みはこちらからどうぞ。

2021-09-09 | カテゴリー : nagaijuku | 投稿者 : takahisanagaicom

チャネル戦略で、大きな差が付く

ある日本を代表するメーカーは、海外進出の販路確保のために数千億円を投資し、海外販社を買収しました。

しかし買収で難しいのが、買収後に買収した会社を自社に統合する作業。全く違う企業文化や社内業務、人事施策を持つ会社が一緒になるのはなかなか難しいものです。

このメーカーは数千億円を投じたものの、買収後の統合が上手くいきませんでした。結果、数千億円を投資したにもかかわらず海外進出は頓挫。会社は大きな損失を出しました。

世の中の買収は「成功確率は半分以下」と言われており、そもそもリスクが高いのです。

しかしここで「自社で販路を持とう」ということに固執するのはやめて、マーケティング発想で「自社で売らずに売上を拡大しよう」と考えれば、新たな可能性が見えてきます。

それは、チャネル戦略を考えること。

たとえば通信機器大手シスコシステムズは、優れたチャネル戦略で成長してきました。

創業直後は直販9割でしたが、付加価値再販業者(VAR)と呼ばれる販売パートナー経由で売上の9割をあげるようになりました。

そのシスコは、当初売上が大きな販売パートナーに対して値引率を高く設定していました。売れば売るほどシスコからの卸値が安くなり儲かるわけです。これでシスコは成長しました。

しかし2001年、ITバブルが崩壊して市場が縮小。同じシスコの販売パートナー同士で、売上を伸ばすために値引き合戦をするようになってしまいました。これってパートナー同士は消耗戦ですし、顧客も一見安くなりますがサポートレベルは下がりかねません。長期的に見てシスコも困ります。

そこでシスコは売上で販売パートナーの値引率を高くするのはやめて、新技術スキルを積極的に獲得する販売パートナーの値引率を高くするようにしました。

この結果、3年後には自社も販売パートナーも業績は回復しました。

シスコは、販売パートナーを育てる優れたチャネル戦略を構築し、常に変革し続けることで業績をあげたわけです。

日本から海外へ進出するメーカーの中にも、進出先で現地に合わせた優れたチャネル戦略を構築し、成果を挙げている会社もあります。

マーケティング戦略の中で、つい疎かになりがちなのがチャネル戦略です。

後回しにされがちな理由の一つは、チャネル戦略には利害関係者が多いためです。

たとえばシスコのように販売パートナーに「これから売上での値引きはやめて、新技術スキル獲得での値引きに変えます」と言ったりすると、販売パートナーから…

「儲けが減るじゃないか!」
「変えられると困るんだよ!」
「これまでのお付き合い、何だったのよ!」

というクレームが殺到しがちです。

そこで問われるのが、顧客価値最大化のために、

「それでもやる!」

という、迎合しない断固たるリーダーシップです。

ちなみにシスコが先に書いたチャネル戦略を変革した時は、販売パートナーの半分がパートナーを辞めてしまいました。しかし3年後、残った販売パートナーの運転資本利益率は3倍増。顧客満足度も大きくアップしました。「顧客の価値最大化」に賛同して新技術に投資したパートナーは利益を大きく上げ、顧客もそのことを高く評価したわけです。

後回しにされがちだからこそ、チャネル戦略はやる気次第で一気に差が付くのです。

明日9月8日(水)の朝活永井塾のテーマは、このチャネル戦略についてです。今回も多くの方々と、このテーマについて一緒に考えていきます。

 

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一番乗りを目指すな。後発を目指せ

多くの起業家は一番乗りを目指します。しかし「これは間違い」という研究があります。

組織心理学者のアダム・グラントは著書「ORIGINALS」で、マーケティング研究者ピーター・ゴールダーとジェラルド・テリスが「先発企業」と「後発企業」を比較した研究を紹介しています。

彼らが30以上のカテゴリーで数百のブランドを分析した結果はこうなりました。

■先発企業は、失敗率が6倍
先発企業…47%
後発企業…8%

■生き残った場合、後発企業の市場占有率は3倍近い
先発企業…10%
後発企業…28%

なんと先発企業は失敗率が後発企業よりも6倍高い上に、生き残ってもシェアも1/3に留まります。

先発企業でも、iPhoneのように大成功することもあります。「iPhoneは大成功した。だから一番乗りがいいんだ」と思いがちです。しかしこの研究が示しているのは、「市場全体を見た場合、確率的に言うと後発の方が圧倒的に有利」ということです。

先発者は未知の分野ですべてを自分で試行錯誤して学ぶ必要がある上に、市場参入時期が早すぎると失敗します。リスクは非常に高いのです。対して後発企業は先発者が試行錯誤した結果を学べます。タイミングも見計らえます。Googleもネット検索で13番目の後発でした。

一番乗りにこだわりすぎると、失敗するということです。
要は「顧客が求めるベスト・タイミングで、他よりも優れていればいい」のです。

「既に先発企業がいるから、この市場は諦めよう」と早々に結論を出さずに、じっくりとその市場を観察することが必要なのです。

 

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