永井孝尚ブログ

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ネットにノウハウを書くと盗まれるのか?

 

こんなことをいう方に時々出会います。

「ネットにノウハウを書くと知識を盗まれる。だから、書かない」

これは本当に正しいのでしょうか?

知識には「形式知」と「暗黙知」の2種類があります。

形式知は言葉にできる知識のこと。暗黙知は言葉にできない知識(経験知など)のことです。
たとえば言葉でいくら説明を受けて本で勉強しても、人は泳げません。プールに入り、水に浮き、息継ぎやバタ足を実際に経験して泳げるようになります。

このように知識は氷山のような構造になっています。形式知の下に目に見えない膨大な暗黙知があります。

冒頭の話に戻ると、ネットで書ける知識は形式知です。
どんなに言葉を尽くして親切丁寧に書いても、自分が持つ知識の一部しか書けません。

しかしネットで知識を共有すれば、それを学んだ他の人の反応で新たな知識を得て、自分の知識は増えます。新たな形式知を学べば、自分の暗黙知も増えていきます。

さらに知識を共有すれば、それは相手の方にとっても役に立ちます。

自分の知識はどんどんと共有した方が、結局は、相手にとっても自分にとっても、そして社会にとっても、得なのです。(言うまでもないことですが、機密情報や未発表製品の詳細情報は、この話の対象外です)

ですので私も、ブログやメルマガでどんどん学んだことを発信しています。

 

 

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時短ビジネスが最強

世の中を見ていると、ヒット商品には共通点があると感じています。

「時短ニーズをうまく掬い取っている商品が売れている」

たとえば…

■ロボット掃除機
共稼ぎ夫婦が増えて、自宅を掃除する時間が取れずに夫婦げんかをする家庭もあるとか。これも「掃除する手間と時間を減らしたい」というニーズに対応しています。

■パックご飯
日本人のコメ離れが進んでいます。この50年で一人当たりのコメを食べる量は半減しています。その中でパックご飯は20年で5倍に拡大しています。パックご飯はコメの6倍も高いのに、コメ離れが進む中で売れているのも、「炊飯器で炊く時間と手間がもったいない」という時短ニーズに対応したからです。

■SIXPAD EMSトレーニング
「太りたくない」「健康でありたい」と考えて、日々の筋トレを欠かさない人が増えています。でもトレーニングには時間がかかります。そこで電気刺激でいつでもどこでも、家事や読書をしながら筋トレするのがSIXPAD。さらにSIXPAD Stationというジムでは、わずか15分という短時間で全身の筋肉を効率よく鍛えるプログラムを行っています。これも時短ニーズに対応しています。

「時短に対応できないか?」という視点で今のビジネスを見直すと、大きなブレイクスルーがあるかもしれませんね。

 

 

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朝活勉強会「永井塾」第20回「リーン・スタートアップ」を行いました

本日10月3日(水)、第20回朝活勉強会「永井塾」を行いました。

いまや「調査→商品企画→商品設計→商品生産→販売」というこれまでの商品開発は通用しなくなっています。
そこで生まれたのが、「リーンスタートアップ」をはじめとする、「顧客開発」の方法論です。
ポイントは、顧客から学びながら商品開発をムダなく高速で進めることです。

そこで今回は、この「リーンスタートアップ」の考え方について30分間お話しし、30分間の質疑応答を行いました。

次回の朝活勉強会「永井塾」は11月14日(水)。11月18日に出版する新著「なんでその「価格」で売れちゃうの?」(仮題)で書いた価格戦略をテーマに行います。価格戦略を、マーケティング理論と行動経済学で考えていきます。

詳しくはメルマガでご案内していますので、参加希望の方はメルマガにご登録下さい。ご参加をお待ちしております。

安く売るのは、実は難しい

「なかなか売れないなぁ。じゃぁ、値下げしようか」

こう考える人は少なくありません。

確かに安く売って儲けている会社は、意外とたくさんあります。

たとえば、俺のフレンチ、ティム・ホー・ワン、ユニクロ、ニトリ。

しかし彼らは、安く売っても儲かるように、知恵を捻ってコストを徹底的に下げています。

 

たとえば俺のフレンチは、立ち食いフレンチでお客さんの滞在時間を減らして、お客さんが何回も入れ替わるようにすることで、お客さんの回転数を上げ、一方で原価率を徹底的に上げることで、薄利多売でも儲けるようにしています。

ティム・ホー・ワンは、安い価格で美味しい本格香港点心が食べられるように、スーパーで売っている食材を使い、レシピを徹底的に工夫しています。日比谷の店は、大行列です。

ユニクロやニトリはSPAモデルを実現することで、自社企画→製造→流通→小売販売を全部自社で行い、かつ店舗の数を増やして「規模の経済」「経験曲線」を追求して、低コストを実現しています。

安く売って儲けるのは、実は高等技術が必要です。安く売って儲けている会社は、そのために知恵を捻って、さらに努力を重ねています。

このような努力をせずに、「売れないから、値下げして売ろう」と考えて価格勝負をしても、長い目で見ればじり貧になるだけです。

 

価格をどのように考えていくべきなのか?

私たちは今一度、基本に立ち返って考えたいものです。

 

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台湾出張で「やはり現場でしか学べないことがある」と実感

先週は講演のために台湾に4日間出張しました。(講演の詳しい内容はこちら

海外に行くのは久しぶりでしたが、「現地で実体験しないとわからないことが多い」と改めて感じたことばかりでした。いくつかご紹介したいと思います。

■レシートが宝クジになっている!
すべてのレシートには8桁の番号があります。これは宝くじになっていて、最高当選額は1000万元 (=3600万円)。国が当選金額を払っています。目的は納税を徹底させるため。こうすることで国民は必ず領収書を要求するようになり、脱税を減らすことを狙っています。行動経済学でいうところの「ナッジ」ですね。うまく出来ています。

私がスタバでエスプレッソを買ったレシートにも、ちゃんと64852131という番号が付いていました。

■日本人が知らない日本の店を、実によく知っている
日本に旅行に行く台湾の若い人は「こんな店があったんだ!」というようなコアな日本の普通の店を、実によく知っています。日本では話題にもならず、私もまったく知らない店ばかりでしたが、食べログにはちゃんと掲載されている店です。ブログで話題になり、人気になるそうです。
これは実際に聞いてみないとわからないですね。
「SNS時代はインフルエンサーに働きかけて、バズ(=注目を集めて拡散させる状態)を起こせ」とよく言われますが、このような話を聞くと、意図的に起こすバズよりも、自然発生的に起こったネットでのバズの威力を改めて思い知らされます。

■”We are Taiwanese”
30年前にアジアのIBM社員たちとよく仕事をしていたのですが、この時に台湾から来た人は「私たちは中国人だ。『台湾人』という言葉はない」といっていました。当時はこの考え方が多数派だったようです。しかし現在では、「私たちは台湾人だ」という人がとても増えています。「二つの中国」問題もあり、歴史的にも複雑な事情が絡んでいる問題ですが、この30年間でアジアの状況が大きく変わったことを実感しました。

■親日的
書店には日本人の著書が実に多くありました。(私の本もありました)
また百貨店では日本の屋台イベントを行っていて、東京から来た日本人女性が中国語を話しながら、元気に焼きそばを焼いて売っていました。台北市内にも日本人が実に多く、店内でも普通に日本語の会話が聞こえました。
20年前まで仕事で台湾に来る機会が多かったのですが、その時よりも親日度は大きく進んでいました。

■日本よりも暑い
「日本の夏の暑さは、東南アジアを越えた」という声を良く聞きますが、実際に暑いのは台湾の方です。出張したのは9月下旬で台北の気温は30度くらいでしたが、実際には日本の30度よりも湿度が高く、肌に粘り着くような暑さです。台北の真夏は39度になることもありますが、この蒸し暑さは変わらないとのこと。出張で通訳をサポートして下さった方もよく東京や大阪に行かれますが、やはり台湾の方が暑いそうです。結論としては、東京や大阪が暑くなったとはいえ、東南アジアほど暑くないようです。

やはり現場のことは現場でしかわからない。当たり前のことを改めて実感しました。

しかし考えてみると、お客様もまったく同様ですね。
会社のオフィスにいても、お客さんのことはわかりません。
実際にお客様がいる現場で、学び続けることの大切さも、改めて実感しました。

 

 

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