フラット化の2006年、イノベーションの2007年


あと数日で2006年も終わり、2007年を迎えます。

2006年はどうだったか、と、2007年どうなるか、ですが、

「フラット化する世界」 (トーマス・フリードマン)

この本に象徴されているのではないでしょうか?

日本では、この本に描かれているように、米国のサービス業務が地球の裏側にある国のコールセンターに移管される、といったような本格的なフラット化は、2006年にはまだ本格化していません。

しかし例えば、こちらに書きましたように、私の勤務先であるIBMでは、現地法人が全ての業務機能を持つ多国籍企業文化から、グローバルに適材適所で業務機能(人事業務、会計、等々)を各国に配置するグローバル企業文化への変化が、既に始まっていますし、日本IBMのオペレーションもその中にいます。

2007年からは、このグローバル全体でのフラット化の流れが、日本全体に波及していくことはほぼ確実です。

企業の立場では、この流れは単に「我々の現在の企業の業務が、低賃金の国に流れてしまう」というように捉えるべきではなく、「我々は、いかにこの流れを活用するか?」と考えるべきではないでしょうか?

実際、インドの高品質・低賃金の知識労働者を、自社の付加価値向上の手段として考えている欧米企業は多いようです。いたずらに欧米の考えに盲従する必要はありませんが、このような考え方が存在する、ということは、我々も意識しておいていいと思います。

今までうまくいっていた方法は、今日は通用しても、明日は通用しなくなる可能性があります。最近、色々なところで言われ始めている「イノベーション」も、このコンテキストの中で捉える必要があると思います。

一方で個人の立場では、このようにフラット化する世界の中で、いかに自分の現在の力が活かせるのかを本気で考える時期が2007年だと思います。

とは言っても、インドや中国の知識労働者に負けないように必死で能力向上に努める、ということが、必ずしも唯一の解ではないと思います。(もちろん、能力向上のための日々の努力は必要ですが)

むしろ、自分の現在の力や目指すべき目標の再定義が必要なのではないでしょうか?

その際に必要なのは「自分らしさは何なのか?」

必ずしも「最先端」や「一番」である必要はないと思います。

割と身の丈で「自分らしさ」を模索して成功している事例は、最近新聞の特集等でも多く取り上げられるようになってきました。また、日本という世界の中で最も洗練された社会と市場の中で生きてきたことは、それ自体がグローバルの中で価値になる可能性を持っています。

言い古された言葉ですが、「ナンバー・ワンではなく、オンリー・ワン」を目指したいですね。

ということで、2007年は、企業も個人も、いかにイノベーションするか、が、大きなテーマになると思います。もちろん、「イノベーションしない。現在路線を守る」というのも、よく考えた上での選択肢であれば、尊重すべきだと思います。

 

堅い話が続きましたが、仕事を離れて、私個人でいうと、2006年と2007年はこんな感じです。

●2006年、やってよかったこと(1)
まず合唱です。毎週土曜日夜の練習がいつも楽しみです。普通に生活していては決して知り合えない素晴らしい仲間と知り合い、今年、演奏会を4回行い、大きな感動を仲間とともに味わいました。

●2007年、やってよかったこと(2)
もう一つはブログです。これも世界が拡がりました。ブログを始めた3月頃は週1-2回書くのが精一杯でしたが、夏頃から毎日書くのがそれほど苦痛でなくなってきました。これからブログを始める人は、1ヶ月程度かけてテーマをじっくり考えた上でとにかく始めてみて、週1-2回書き続けるのをとりあえず2ヶ月続けることをお勧めします。

●2007年の個人的目標
・第6回目の写真展を開催したい
・写真集を出版したい (20年来の夢!!)
・マーケティングの本を出版したい
・うちの合唱団の単独演奏会を成功させたい
・そして何よりも、家族全員健康で、無事2008年を迎えたい

 

ということで、今年1年大変お世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします。

 

(でも、明日も多分ブログを書きますが ^^;)