仕事の完成度を80点から100点に上げるには、60点から80点に上げるのと比べて、5倍から10倍の手間がかかる、と言われています。
そしてともすると、完璧主義に陥り、全てで100点を目指そうとしがちです。
しかし、すべての仕事で100点を求められている訳ではありません。
特に現代では、「時間」が「ヒト、モノ、カネ、情報」に次いで第5の経営資源となっています。スピードがますます求められるようになっています。
ですのでスピードや回数を求められている仕事では、じっくりと100点を狙うのではなく、80点の出来でも5-10回のチャレンジをすることが必要になります。
しかし一方で「ここぞ」というところでは、相手が「今日からでも行動を変えよう」と思えるような、圧倒的な価値を提供することが求められます。
そしてこれは、決して「80点主義」では実現できません。
スティーブ・ジョブスも、新製品の発表プレゼンではリハーサルに2日間かけたと言われています。
これだけの手間をかけたからこそ、圧倒的な感動と衝撃を世界に与えたのでしょう。
こういう時こそ、時間と手間をじっくりかけて100点を目指さすことが必要です。
80点で、スピードと回数を狙うか。
あくまで100点を目指し、圧倒的な価値にこだわるか?
これは場合によって異なります。
100点を狙うべきところで80点主義の割り切った仕事をしていては成果は上がりませんし、逆に80点で十分なところで時間をかけて100点の仕事をしていても、それは過剰品質であり無駄が多いのです。
ジャイアンツのエースだった江川卓投手は、9回完投にこだわり、一流のバッターには全力で投げていましたが、下位打線のバッターにはコントロール重視で投げていた、と言われています。
確かに現役時代の江川投手はともすると「一発病」「手抜き」とも言われていましたが、目的達成のために相手に併せて仕事をコントロールするのは凄いことだと思います。
仕事を行う際には、求められる成果の品質を把握し、メリハリをつけて仕事をしたいものです。