お金をかけてもブランドは創れない。ではいかにブランドを創ればよいのか? 2015年ブランド1位の、あの会社から学ぶ


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日経BPコンサルティングが設立する「ブランド・ジャパン企画委員会」が選ぶ「ブランド・ジャパン2015」の結果が、3月27日に発表されました。→リンク

BtoC編「総合力」ランキングの首位は、昨年の11位から大きく順位を上げて、91.7ポイントを獲得したセブン-イレブン。セブンはBtoB編の「総合力」でも第2位を獲得しています。

なぜセブンがブランド1位を獲得できたのでしょうか?

2015/4/13の日経ビジネスの記事「ブランド・ジャパン2015 “親しみ”増してセブンが初首位」によると、同委員会の委員長である一橋大学大学院国際企業戦略研究科の阿久津聡教授は次のように語っておられます。

—(以下、引用)—

「商品開発などを地道に継続してきたことが消費者に認知され、その商品を実際に買って“経験”する人が増えた。広くブランドが浸透した結果であり、満を持しての首位獲得と言える」

—(以上、引用)—

実際に私の周りの人に聞いても、「コンビニの中でも、セブンは他と比べて高品質」という印象を持っている人は多いのです。それはセブンカフェをはじめ、セブンゴールド、セブンプレミアムなど、「最安値ではないけど、そこそこの値段で、高品質」という実績を積み重ねた結果です。

まさに阿久津先生がおっしゃるように「満を持しての受賞」ですね。

 

20世紀初頭、大量生産・大量流通が始まった時代は、お金をかけて大量の広告や宣伝を行い、ブランドの認知度を向上させ、効果を上げる事例が数多く生まれました。しかし情報が氾濫し消費者が賢くなった現代では、ブランドはお金をかけても創れません。

ブランドとは実績であり、事実の積み重ねです。企業は新たな価値・顧客満足を創り続けていくことが問われており、この蓄積がブランドを創り上げているのです。

ネット時代=透明な時代の現代では、よりピュアな形でブランドの本質が問われています。

 

つまり「お客様が買う理由」を創り続けること。そのためには、リアルな顧客に対して仮説検証を愚直に繰り返すことが必要なのです。

 

愚直に仮説検証を繰り返している企業の筆頭が、今回受賞したセブンです。

セブンの店舗では高校生のアルバイトでも発注を任されていますが、そこで行われるのが仮説検証です。販売実績や天気や地域の行事を基に明日の売れ筋の仮説を立てて発注、そして販売結果をPOSシステムで検証し、仮説が間違っていたらそれを次の仮説に活かしています。

商品の開発でも同様。セブンカフェを大成功させるまでに、セブンは実に4回の挑戦を通して仮説検証を繰り返してきています。

 

今回セブンがブランド1位を獲得したのは、セブンが長年に渡ってリアルな顧客に対してひらすら愚直に仮説検証を繰り返し、「お客様が買う理由」を創り上げる努力を積み重ね、消費者に認知を拡げていった結果に他ならないのです。