1985年公開の映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。
エンディングで、主人公のマーティは、時計台に落雷する雷が発生する膨大な電力で1955年から1985年に戻りました。時計台に落雷する時間ギリギリに間に合うか?手に汗を握るシーンの連続です。
しかしオリジナルのシナリオは核実験場に行って、核爆発を利用してタイムスリップをする予定だったそうです。
しかしこれは100万ドルの撮影費用が必要と試算されて、予算の都合から断念されました。1985年当時はCGはあまり使われることがなく、撮影が必要だったのですね。
その後、新しいアイデアが生み出され、皆様がよくご存じの落雷で未来に戻るシーンになりました。脚本担当は「結果として格段に良くなった」と語っているそうです。
これは、新しい商品やサービスを開発したり、あるいは著書を執筆したり、作品を制作する時に、勇気と励ましを与えてくれるエピソードです。
何か新しい価値を創ろうとする場合、必ず何らかの制約があります。
それは予算、時間、リソース、組織的な事情、あるいは人間関係などです。
何の制約もないことは、まずありません。
時として目の前に立ちはだかる大きな制約に、「こんな状況で、どうやって新しく価値を創ればいいのか」と思いがちです。
制約が、新しいアイデアの源になりうることを、このエピソードは教えてくれます。
与えられた厳しい条件の中、様々なアイデアを試して知恵を絞ることが、まったく新しい創造的な解決策に繋がっていくのです。