知らない間に生まれている、ムリなムダ。どうすれば撲滅できる?


ムリムダ

人は誰でも、ムリなムダはしたくありません。
でも私たちは知らない間に、意外とムリなムダをしているものです。

たとえば私は以前、車を運転して、遊びや旅行によく出かけていました。

ふと気がつくと数年間、走行距離が毎年1000Km程度という時期がありました。引っ越しなどで生活パターンが変わり、いつの間にか車を使わなくなったのです。

不思議なもので慣れてしまうと、「将来、車が必要になるかもしれない」と考え、車がない生活に不安を感じるものです。

一方で車を持つデメリットも少なくありません。まず駐車場・保険・車検などの維持費。合計すると、毎月3〜4万円なので、家計には大きな負担です。運転すると事故リスクもあります。滅多に運転しないと運転技術も落ちるのでリスクも高まります。

結局10年近く前、思い切って車を手放しました。手放しても生活は変わりませんでした。むしろ車の維持費がなくなることで、家計は楽になりました。運転事故の心配もなくなり、精神的にも安心です。

つまり、以前の私は車を持つ理由があったのですが、気がつくと状況が変わり、知らない間に私はムリなムダをしていたわけですね。

 

これは個人の場合ですが、組織でも似たような状況がよくあります。

ほんの数年前、あるいは数十年前までは、必要だった仕事。今ではその必要性は消えたのに、相変わらず多大なコストと人員、時間をかけて行っている仕事は、意外と多いものです。これは私の車と同様、コストは発生しているのに価値を生まない、知らない間に発生しているムリなムダです。

外部の人間に指摘されて、「そう言えば、なんでこんなことをやっているんだろう?」と気がつくケースも少なくありません。先入観を持たない外部の視点でよく見えることも、内部にいるとなかなか気がつかないものです。

 

昔はその方法が正しくても、状況が変わると、やり方を見直すことが必要です。
身近な個人的なことであれば、自分の考え次第で直せますが、組織になるとこれがなかなか難しいのです。

まず「やり方が間違っている」ということを関係者が合意するのが、一苦労。
そして間違っていると認識できても、「昔の方法がいい」と思っている人も多いので、なかなか直せないのです。

 

会社組織の場合、ムリなムダを見つけるマジックワードがあります。

「その仕事って、お客さんにとって意味があるの?」

もしその仕事がお客さんにとって意味がないとすれば、見直しが必要なのです。

 

「顧客目線」は、使い古された言葉なのでつい忘れがちですが、常に持ち続けたいものです。

 

 

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