「お客様のことなんか考えたことがありません。
意気投合した仲間と、夢中になってやっています。
とにかく面白くって…」
その人はいかにも楽しそうにお話ししていました。
私は「お客様が買う理由を作りましょう」と提唱しています。
「お客様が買う理由を作ること」と、「お客様のことなんて考えたこともない」というのは、一見、正反対のように思えます。
しかし実際には、「お客様のことなんて考えたこともない。自分自身が楽しくて夢中」という状態は、実は理想的なパターンであることも多いのです。
この人の場合、「お客さんのことなんか考えたこともない」といっていましたが、実は自分自身がお客様になりきって、新しいサービスを作るのに夢中になっていました。
あのスティーブ・ジョブスも、顧客の意見はまったく聞きませんでした。しかし誰よりも厳しいアップル商品のユーザーでした。だから商品開発チームには超辛口ユーザーとして厳しく接しましたし、新商品発表の時は、最も情熱的なファンとして興奮しながら新商品を語り、それが顧客に伝わったのです。自分自身がワクワクしていると、それは確実にお客様に伝わります。
もちろん例外もあります。いくら夢中になって楽しくても、お客様不在の独りよがりな商品開発は、多くの場合失敗します。
自分たちがワクワクしていなければ、お客様もワクワクするわけがありません。
私も自分自身を振り返ると、成功したパターンは、自分自身がお客様の立場でそのプロジェクトにワクワクして没頭し、寝ても覚めてもそのプロジェクトのことばかり考えています。
自分たちがワクワクするものに取り組みたいものです。
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