実験で始まり、実験で見直されるコンビニ24時間営業


24時間営業のコンビニは、もはや私たちの生活の一部。当たり前の風景です。

しかし、一部で見直しが始まっています。

日経ビジネス2017.11.27の記事『「未来のコンビニ」そろり始動」では、ファミリーマート(以下、ファミマ)の実験店舗で、午前0時〜5時の営業を休止し、一部商品を自動販売機での販売に切り換えている様子を紹介しています。以下、記事の抜粋です。

—(以下、引用)—

このような実験に取り組む背景には、人手不足と人件費高騰に対する危機感がある。沢田貴司社長は「現場負担の高まりを痛感している。深夜閉店への反論を(業界内で)よく聞くが、実験してみないことにはわからない」と話す。

—(以上、引用)—

この話を読んだときに思い出したのが、「そもそもコンビニの24時間営業自体、実験で始まった」ということ。

1974年にセブン-イレブン(以下、セブン)がコンビニを始めた頃、コンビニの営業時間は社名の通り朝7時から夜11時でした。この時期、世の中には24時間営業の店はほとんどありませんでした。そんな中でセブンが24時間営業を始めたのは、翌1975年。

当時、深夜まで遊ぶ若者や深夜労働者が増えていました。セブンは「夜中も営業すれば、客の利便性が高まり、売上が拡大するはず」と考えました。しかし当時の常識は今と逆で「深夜に営業しても、客が来るわけない」

そこでセブンは、24時間営業を実験して、本当に売上が拡大するかを確認しました。

場所は当時の店舗で一番北にあった福島県内の直営店。「条件が悪いところで売上が伸びれば、どこでも24時間営業が成り立つ」と考えました。結果は、日販売上は63%も上がり、1日の来店人数も700人強から1200人近くまで増え、大成功。その後、東京江東区や神奈川県相模原市での実験も同じ結果でした。そこで24時間営業を開始した。

1975年、コンビニ24時間営業は、セブンの実験により始まり、常識になりました。
そして42年後の今、今度はライバルであるファミマの実験により。24時間営業の見直しが始まっています。

 

常識をくつがえすようなアイデアを机上でいくら議論しても、なかなか正解には至りません。
それならば、サッサと実験でサクッとやってみて、検証した方がはるかに速いし、確実です。

 

皆さんがお持ちのビジネスのアイデアも、議論に時間をかけすぎずに、サクッと簡単な実験を行ってみれば、新たな発見が得られることが多いはずです。

 

 

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