私は時間貧乏でした。20代の頃は残業自慢ばかり。月200時間の残業が続いた時期も、「いや〜、昨日も午前様で」とどこか自慢げでした。
「時間をかけて仕事をする=ビジネスマンの鑑」と考えていました。締切は守ってはいたものの、振り返ってみると自分のタイムマネジメントがまったく出来ておらず、常に時間に追われていました。
ですので、「忙しい」が口癖でした。
「忙」という字は、「心を亡くす」と書きます。
余裕もなかったのですね。
今はだいぶ変わりました。
締切は守る一方で、時間に追われることもなくなりました。相変わらず仕事は多いものの、決められた時間内で終えるようになりました。
編集者の方々からは「締切を守らない著者も多い」と聞きますが、私は必ず締切前に原稿を仕上げて送っています。ちなみに、お付き合いのある編集者さん達の多くは、ビジネス書担当です。ビジネス書の著者の多くがタイムマネジメントが出来ていないということなので、とても不思議な現象です…。(笑)
よく「どうやってタイムマネジメントしているのですか?」と聞かれることがあります。
これは「時間の見積もり力」のおかげです。
私は、タイムマネジメントに必要なのは、下記3つだと考えています。
①いま、自分はどんな仕事を抱えているのかを、把握する
②それらの優先順位(重要度・緊急度)を把握し、最優先のものから始める
③そして仕事完了にどの程度の時間が必要かを、把握する
多くのビジネスパーソンの方々を拝見していると、この①〜③を予め考えずに、漫然と仕事をしている方が多いように感じています。
まず①と②を考えるだけで、タイムマネジメント力は上がります。ただ①と②は要は決めの問題なので、比較的簡単です。
意外と難しいのが、③の「時間の見積もり力」です。
仕事は、細かい作業の積み重ねです。ですので行うべき仕事や作業がある場合には、
「この仕事は3日かかる」
「この作業は1時間必要」
「この作業は10分」
と予め見積もるわけです。
しかし予想外のトラブルが起こったり、緊急の仕事が入ったりします。こうなると1日で仕上げる予定が、3日かかったりします。
前もって仕事時間を見積もり、実際にやってみて、事前の見積もりと比べて、なぜ差が出たのかを考える、ということを繰り返していくと、「時間見積もり力」は上がっていきます。
さらに若干の余裕(バッファー)を取ることも必要です。
タイムマネジメントは、あらゆるビジネスパーソンに共通のスキルです。
さらに仕事でタイムマネジメントが出来るようになると、プライベートも充実してきます。
タイムマネジメントの中でも「時間見積もり力」をつけることは、より豊かな人生のためにも、必要なことだと思います。
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