1本1080円のカレー専用スプーン


近所のデパートで、食器の展示販売会をやっていました。
ここで見つけたのが、一本1080円の「カレー賢人・サクー」というカレー専用スプーン。
前から欲しいと思っていたので即購入しました。

イマドキ、安いスプーンは100均でも買えますよね。
なぜこんなに高いのでしょうか。

実際にカレーを食べてみるとわかります。実に使いやすいのです。

このスプーンは左右非対称です。先端は斜めに緩いカーブを描き、カレーの具材をサクッと切るためにカーブの部分は2ミリほどナイフ状になっています。さらにこの部分は、皿に残ったご飯粒やカレーのルーもすくい取りやすくなっています。

いつもよりカレーを美味しく感じたのは、決して気のせいではないと思います。

このスプーンを生み出したのは、新潟県燕市にある食器メーカー・山崎金属工業に勤める若手の開発担当です。

「カレーの聖地」といわれる神田神保町に通い詰め、店でカレーを食べる様子を実際に観察したり、実際に話を聞きました。中にはマイスプーンを持ち込む人もいたそうです。

そこで気がついたのは、スプーンをナイフ代わりにして具材を切る人が多いこと。ここで得られた発見を元に開発したのが、このカレー専用スプーンだったのです。

新潟県燕市の食器メーカーは高い加工技術を持っています。だからカレー好きの要望に応えることができたのです。

このカレースプーンは2017年7月に発売すると、1080円にも関わらず3ヶ月で1万本売れる大ヒット商品になりました。

お客様が買いたくなるヒントは、常に現場にあります。現場でお客さんのことをつぶさに観察し、徹底的に考え抜くことが、お客さんを絞り込み、高い価値を生み出すことに繋がる、ということを、「カレー賢人」が改めて教えてくれました。

 

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