値下げは最終兵器。使わないことに意味がある


大胆な値下げをよく目にするようになりました。たとえば、

・350円弁当を300円に値下げしたら、売上が3割アップした弁当屋
・ヒール1杯400円を100円に値下げしたら、集客力がアップしたボーリング場
・ドリンク類を2割値下げしたら、お客さんが増えたパブ

このような話を聞くたびに、他人事ながら「本当に大丈夫なのだろうか?」と心配になります。

お客様は「安さ」をいつの間にか当たり前に感じるようになります。
だから一時的に安さで集客アップしても、長くは続きません。
そこで値下げ前の値段に戻すと、お客様は一気に離れていきます。

値下げ勝負で勝てるのは、一番安い会社です。
一番安くするには、業界で最低コストを実現することが必要です。
これができるの「は業界で1社だけ。他の会社はすべて敗者になります。
しかしこの「コストを下げる」という当たり前の努力をせず、安易に値下げする会社が多いように感じます。

お客様が買う理由は、「安さ」だけではありません。
他にもいろいろな理由があります。

他のあらゆる手段を尽くし、価格以外の考え得る限りの価値を訴求した上で、値下げを考えるべきです。

それでも値下げする場合はどうするか?
方法はあります。商品の価格自体を下げるのではなく、ターゲットのお客様を絞り込んで、時間・場所・お客様の状況などを限定して、値引きすべきです。(このようにお客様の状況にあわせた価格付けを、適応型プライシングといいます)

値引きで売るなら、誰でもできます。
値引きしないで売るのが、ビジネスです。

まずは、値引きをしないで、価値を上げることを考える。
そして値引きするのであれば、お客様を絞り込み、いかに売上を増やすかというシナリオを徹底的に考え抜くべきなのです。

 

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