価格戦略の本をご紹介すると、企業のマネージャー、特に営業部長さんたちからこんな質問をいただきます。
「なるほど価格の本ですかぁ。いつも値引き要求ばかりで悩んでいるんですよね。
高い価格で売るためには、どうすればいいんでしょうね」
半分ため息をつきながら、こうおっしゃいます。
そんな時、このようにお答えします。
「まずは、お客様からのご依頼を断れる状況を作ることが、大事だと思いますけど」
安売りせざるを得ない状況は、二通りに考えられます。
1.本当は高く売れるのに、安くしている(実は高付加価値)
2.本当に安くしか売れないので、安くしている(実際には低付加価値)
お客様からのご依頼を断れるようになると、どうなるでしょうか?
1.の場合、お客様は「困るので提案して欲しい」と依頼してきます。実は安くしすぎなのです。(中には相見積もりの当て馬としてお客様が依頼する場合もありますが、そのような駆け引きはここでは除外して考えます)
2.の場合、お客様は「あ、そう。じゃあ、他社に頼む」となります。この状況を続けている限り、絶対に高く売れません。
お客さんから見て低い価値しか提供していないのに、高く売るのは不可能です。他社の真似をしたり、お客様の課題を把握しないまま製品中心で考えていると、こうなりがちです。
2.の状況に陥っている場合、高い価値を作り上げることが必要です。お客様の課題を考え抜き、自社しか提供できない高い価値を作り上げた上で、お客様が「高いけど、さすがだ」という値ごろ感ある価格をつけるべきなのです。
現実のビジネスの現場では、お付き合いが深いお客様に面と向かって断ると色々と差し障りがあります。とはいえ、「まずはお客様からのご依頼を断れる状況を作る」ことが、高い価格を付けるための第一歩なのです。
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