その戦略、仮定と仮説は何ですか?


戦略は仮説です。仮説だから、いくつかの仮定に基づいています。

しかし現実には「その戦略、仮定と仮説は何ですか?」と尋ねても、「は?仮定と仮説って何のこと?」とポカンとされることが少なくありません。

1970年代にこのように考えた洋服販売会社がありました。

【仮定1】紳士服は百貨店で買う高級品というのが常識だが、消費者は安い紳士服を求めているはずだ
【仮定2】米国では郊外で巨大駐車場を併設するショッピングセンターが大賑わい。日本では自家用車が急速に普及し続けているので、カーショッピングの流れは来るはずだ
【仮定3】都会の店に立ち寄る顧客は一見客が多いが、カーショッピングだと目的買いの客なので、買う可能性が高いはずだ

【→仮説】郊外ローサイド型店舗(幹線道路の脇に建てて車で買い物に来る店)を作れば、繁盛するはずだ

こうして田んぼの真ん中に突然現れたのが、紳士服専門店「洋服の青山」の1号店。

店を見た同業者は「気がふれたか」と笑っていました。実際にオープン当初、客は一人も来ませんでした。

しかし仮定に立ち戻れば、客が来ない理由がわかります。仮定1〜3が間違っているわけではありません。しかし店から眺めると、目の前の幹線国道を走るのはトラックやライトバンの商業者ばかりだったのです。

問題は、認知度でした。

そこで手持ちぶさたの店長と販売員は、手分けして半径15Kmにくまなくパンフを定期的に配りました。

半年間これを継続すると、徐々に客が来るようになり、仮定3の通り来店客はほぼ100%買いました。

この経験で、2号店移行は事前に販売活動を徹底してから開店するようにしたところ、開店日から売れるようになり、洋服の青山は急成長を始めました。

 

このように、戦略はいくつかの仮定をブロックのように組み合わせて、仮説として考えます。そして上手くいかなければ、ブロックの仮定に立ち戻って検証します。

 

御社のその戦略、仮定と仮説は何でしょうか?

 

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