そのお客様が買うという根拠は、何?


私たちが日常生活で見かける「販売」は小売店にいる消費者相手の売り子さんが多いのですが、現実には世の中の多くのセールスは、企業相手の法人セールスです。

法人セールスの現場では、セールスマネージャーとセールスがこんな会話をしがちです。

「ヤマダ君。売れそうかな?」
「大丈夫です!行けますッ!」

でもその根拠は感覚だったり、勘だったりすることが多いものです。

私がIBMにいた時、セールス案件ごとに「この場合、CRAは何だろう?」と議論することがよくありました。

CRAとは“Compelling Reason to Act”の略。日本語で「お客様がどうしても買わなければならない差し迫った理由」のことです。

消費者は「これ、なんか好き!」で衝動的に買ったりしますが、法人のお客様は常に合理的に買うかどうかを判断します。

だからCRAが大切になるのです。

ここで1つの指標になるのが、顧客の反応です。顧客の反応は、大きくわけると次の4つに分けられます。

1.成長志向型:求める結果が、現状よりも高く、ギャップがある
2.トラブル型:求める結果に、現状がトラブルで追いつかず、ギャップがある
3.平静型:求める結果と現状が一致している
4.自信過剰型:求める結果に対して、認識している現状はずっとよい

図にするとこうなります。

「成長指向型」「トラブル型」は売れる可能性が高いのですが、「平静型」は売れる可能性は低く、「自信過剰型」は売れる可能性ゼロです。

お客さんの反応を見ながら、お客さんが「成長指向型」「トラブル型」いずれの課題を抱えているのかを見極めていきたいものです。

 

 

■当コラムは、毎週メルマガでお届けしています。ご登録はこちへ。

Facebookページでも、色々な情報がご覧になれます。