10月30日に、アップルの2019年7~9月期決算が発表されました。
売上高は…。
全社では、640億4000万ドル(約6兆9000億円)で、前年同期比2%増
→その中で、ハードは、515億2900万ドル(5兆5500億円)で、同1%減
→その中で、iPhoneは、333億6200万ドル(3兆5930億円)で、同9%減
相変わらずもの凄い売上規模ですが、成長は止まっているように見えます。特にiPhoneの売上は下がっています。
しかし実際には、この裏で大きな変化が徐々に進んでいます。
注目すべきは、サービス売上です。
売上高は、125億1100万ドル(1兆3500億円)で、前年同期比18%増
全体に比べると小さく見えます。しかし3ヶ月で1兆3500億円をサービスで稼ぐ会社は滅多にありません。
年で換算すると、5兆円規模。これが20%近く毎年伸びています。
しかもアップルの場合、サービス売上は、景気が悪くなってもあまり影響を受けないiCloud、iTunesなどです。
アップル全体の売上に占めるサービス売上は19.5%。
ちなみに6年前の2013年第三四半期は、全社売上比率11.3%でした。
6年間で全社売上比率は8.2%もアップしています。
かねてからアップルの課題は、ハード偏重からの脱却でした。
ハードは製品の仕上がりや季節変動要因が大きく、不安定だからです。
そこでアップルは、収益基盤が盤石な今のうちに「サービスビジネスへの移行」という戦略を立て、じっくり時間をかけて着実に戦略を実行しているのです。
最近は定額見放題のApple TV+も始めました。
私たちは、ビジネス絶好調な中でも正しい危機感を持った上で、10年単位で戦略を立てて収益構造をゆっくりと着実に転換しているアップルの戦略から、今一度じっくりと学ぶべきだと思います。
参考までに、この戦略については、昨年2018年8月に書いた下記ブログでも詳しく解説していますので、よろしければ併せてご参照下さい。
→3ヶ月でサービス売上1兆円!リカーリングビジネス化するアップル
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