松屋カレーの「値上げ?」問題を考えてみる


値上げでショックを受けること、ありませんか?
消費者は価格には敏感なので、価格を変える時はきめ細かなコミュニケーションが必要です。

牛めし「松屋」の隠れ人気メニューは、実はカレー。
コアなファンが多く「カレー専門店よりも美味い」と人気です。

先月末、松屋カレーで価格に関する大きな話題がありました。

11月27日に、松屋のTwitter公式アカウントで、390円で売っていたオリジナルカレーの終了を発表したのです。

松屋カレーショック。
松屋の定番。オリジナルカレー。
まもなく本当に無くなります。
#松屋は牛めし屋
オリジナルカレーをご愛顧いただいていた皆様には大変心苦しいのですが松屋オリジナルカレー。本当に終売です。
食べおさめは今のうち
#ホームページでは明日まで非公開事項

松屋カレーのファンから「ショック」「悲しい」「なぜ?」「困る」との反応が相次ぎ、バズりました。

11月28日、今度は490円の創業ビーフカレーの定番化が発表されました。

12月3日(火)10時~
松屋『創業ビーフカレー』ついに定番化!!
牛バラ肉をとろっとろに煮込んだ創業ビーフカレーは松屋本気カレーです!!
#食べればわかるさ
#創業ビーフカレー
#松屋カレーショック
※創業ビーフカレー販売に伴い『現オリジナルカレー』は12/1より順次販売終了とさせて頂きます。

「なくならず良かった」という声もありましたが、「うーん…」「値上げか…」との反応も多く、これもバズりました。

実際には、商品品質を向上し品揃えを変えたので、必ずしも値上げではありません。しかし消費者には値上げに見えてしまいました。

牛丼業界は数年前まで、激しい価格競争をしていました。価格を下げるには品質見直しも必要なので、価格競争は消費者にとっても、いいことだけではありません。

そこで最近、松屋フーズは高付加価値化シフトを図っています。
830円のうな丼も投入しています。
ビジネス上でも成果が出ています。今年4月以降は、既存店舗の客数、客単価、売上、すべて対前年比プラス。これは立派。→「松屋 前年比 月次推移 (2020年3月期)」(松屋フーズIR情報より)

しかし今回の発表は、消費者により痛みを感じさせた可能性があります。

・390円カレー終了→痛い!
・490円カレー登場→悪くない。でも390円カレーないのはやはり痛い

より細やかなコミュニケーションが必要だったのでは、と思います。
たとえば390円カレーは販売継続、新たに490円カレーの併売を発表すると、消費者にとってお得感を感じさせたかもしれません。

価格に関わるコミュニケーションは、実にセンシティブな問題です。

 

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