商談のオンライン化は、論客型セールスへのシフトを加速する


先週、ある企業様で法人セールスの研修を行いました。現場のB2Bセールスで尽力しているリーダーの方々が多く参加されました。
研修に先立ちオンデマンド講義で、下記のような話をお伝えしました。

—(ここから)–
B2B営業の世界では顧客の課題を理解して解決策を提供する「ソリューション営業」が主流でした。

このソリューション営業は限界に突き当たっています。顧客の課題は様々。課題把握には時間も手間もかかるし、それに付き合う顧客にとっても、負担です。

私は前職で人材育成部長の時、このソリューション営業から提案を受けたことがあります。1時間の打ち合わせが2回。その後、3回目の商談での提案はイマイチ。商談はそこで打ち切りました。

顧客も「ソリューション疲れ」を感じており、手間がかかるのに売れないのです。
ではどうすればいいか?

新時代のセールスバイブルと呼ばれる「チャレンジャー・セールス・モデル」の著者マシュー・ディクソンとブレント・アダムソンは、全世界6千人の法人セールスを調査して5タイプに分類しました。

■論客型…論議を怖れず顧客に自己主張する
■一匹狼型…自信家で我が道を行く
■勤勉型…誰よりも多く電話し顧客訪問する
■受動的問題解決型…要望には必ず対応する
■関係構築型…顧客のためなら必死に働く

著者らはそれぞれのセールス業績も調べました。

最も業績が悪いのが「関係構築型」。
突出して好業績なのが「論客型」でした。

現代のB2Bセールスでは複雑な問題解決が必須です。顧客の行動を変える必要があります。論客型は顧客に「こうすべき」といういい意味でのプレッシャーを与え行動変化を促します。関係構築型は変化を生み出せません。だからなかなか売れないのです。
—(ここまで)–

その上で研修当日は参加者とZOOMで議論しました。
すると、こんな意見をいただきました。

「コロナのおかげで、論客型になる必要をさらに強く感じます。最近は商談もZOOMが多いのですが、お客様も忙しいので、関係構築型だと商談のアポすら取れません。具体的に議論ができ、解決策提示ができる論客型でないとお時間をいただけません。逆に論客型ならばZOOMのおかげで1時間の商談が20分で済むし移動も不要なので、商談の生産性はもの凄くアップします」

これは私も実感しています。私もお客様との商談では必ず課題を伺って提案をするようにしているのですが、大抵は20分で打ち合わせは終了します。

コロナ禍で日本のセールススタイルも良い方向へ変革していきそうです。

 

■当コラムは、毎週メルマガでお届けしています。ご登録はこちへ。

Facebookページでも、色々な情報がご覧になれます。