価格戦略でコロナ禍に対抗


コロナ禍でお客さんが激減した飲食店は、あの手この手で何とか乗り切ろうとしています。
そんな中で、価格戦略で乗り切ろうとする店もあります。
ただこのようにいうと、「値下げ?もう限界ですよ」と思うかもしれませんね。
でも値下げだけが価格戦略ではありません。

たとえば飲食店の悩みの一つが、何とかして三密を回避して感染リスクを下げること。
そこである店は入店時間で価格を変えることで、来店客のピークをシフトして三密回避を図っています。
いわゆる「簡易型ダイナミックプライシング」ですね。
ランチセットをこんな価格設定にします。

11:00-12:00 1000円
12:00-13:00 1200円
13:00-14:00 1100円
14:00-15:00 900円

消費者は価格に敏感です。12:00-13:00のピーク時を避けて、空いている時間に来店するようになります。

またサイゼリヤは1円値上げで大きな効果を出しています。
従来の価格戦略の定番は、端数価格(299円とか499円)でした。500円と499円は1円しか違いませんが、消費者500円台と400円台の違いとして認識するので、お得感を感じさせることができます。

これまでサイゼリヤはこの端数価格を徹底して、「ミラノ風ドリア299円」などの価格設定をしていました。
しかしコロナ禍で端数価格戦略はやめ、全て「00円」「50円」のキリの良い価格にしました。ミラノ風ドリアは300円に値上がり、一方でライスは169円から150円に値下げ。メニューの9割が値上げ、1割が値下げです。

狙いは会計時に釣り銭を減らすことです。

社長が店で観察していると、会計で釣り銭の交換で行列が出来ていたので、これを止めた訳ですね。

確かに数人で食事すると、割り勘などで細々とした計算が必要なので端数価格だと手間です。

東洋経済オンラインの記事『サイゼリヤ、社長も驚く「1円値上げ」の成果』によると、会計にかかる総時間は30%減少し、しかも客単価が上がったとのこと。

客単価は700円台前半でしたが、50/100円刻みにしたことで、合計1000円を目安に注文する人が増えたためです。

なんとサイゼリヤ1000円ガチャというサイトも出来ました。サイゼリヤで1000円になるメニューの組合せをランダムに表示してくれます。

サイゼリヤ1000円ガチャ → https://saizeriya-1000yen.herokuapp.com/get

厳しい状況ですが、こんな時こそ知恵の出しどころ。
このような価格戦略であれば、小さい店であれば今日からも出来るのではないでしょうか?

あの手この手で、何とか乗り切りたいものです。

 

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