マーケティング理論は、進化し続けていく


今週「MBAマーケティング必読書50冊を1冊にまとめてみた」を出版しますが、執筆して身に染みて実感したのは、マーケティング理論が常に進化し続けていると言うことです。

たとえばマーケティングの世界では、かつてマスマーケティングが王道でした。

しかし消費者が洗練されてくるとマスマーケティングは廃れ、「顧客を絞り込め」と言われるようになり、ターゲットマーケティングが主流になっていきました。

現代ではこれがさらに見直され、マスマーケティングに回帰しつつあります。しかしかつてのマスマーケティングからは一段進化しているのです。

元々ターゲットマーケティングの発想は、こうでした。

マス市場は、単一のマーケティングミックス(4P)を展開するマスマーケティングでは攻略できない。
だからマス市場は狙わず、顧客を絞り込む。

しかし現代のマスマーケティングは、こう考えます。

マス市場を、きめ細やかなマーケティングミックス(4P)を駆使したマスマーケティングにより攻略していく。

たとえばUSJはかつて「映画のテーマパーク」というポジショニングでしたが、ファン層は大人の独身女性が中心でした。ターゲット顧客を絞り込み過ぎて集客は伸びず、低迷していました。

そこでポジショニングを「世界最高のエンターテイメントを集めたセレクトショップ」に変え、逆向きジェットコースターでスリルシーカーを集客、さらにファミリー客、ハロウィーン客、加えてハリーポッター、マリオ、ポケモン、ワンピースなどで多くの顧客を集め、復活しました。

このように現代のマスマーケティングは、

・細やかな商品・サービス
・細やかなチャネル
・細やかな販促
・細やかなプライシング

つまりターゲッティングは塩味のようにほんの少しに留め、「いつでも誰にでも販売」という戦略を展開しています。あえて顧客は絞り込まず、マスの様々な顧客にあの手この手で働きかけていくのです。

 

世界は変化し続けているので、このようにマーケティング理論も進化し続けています。

勝負は多くの場合、ほんの半歩の差で決まります。
新たな理論を知り活用できれば、敵に半歩先んじることができ、10回戦って9回勝てるようになります。
最新マーケティング理論を学び使えるようにする意味は、ここにあると思います。

「不易と流行」という言葉がありますが、「MBAマーケティング必読書50冊を1冊にまとめてみた」では、昔から変わらない定番書ともいえる「不易」と、新たな時代にあわせて登場した最新理論の「流行」が学べるマーケティング良書50冊を厳選しました。

本書はこの方針に沿ってわかりやすく仕事で活用できるようにするために、昨年11月から書き始めて、完成まで丸1年間かかりました。
ぜひ多くの方々に役立てて欲しいと願っています。

 

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