読み話し書く能力が必要な理由と身につける方法


最近痛感するのは、「聞き読み話し書いて数字で表現する」という基本的な能力を持っていないビジネスパーソンが少なくないことです。たとえば、

・メールで何を言いたいのかが、わからない。
・話していることにロジックがなく、まとまりもない。
・数字の裏付けがない。主観で書いている。
・人の話しをちゃんと聞いておらず、的外れの答えをする。
・そもそも書いた文章の意味を、読み取れていない。

これって随分と損をしていますよね。

ドラッカーが1954年に書いた経営学最高の古典「現代の経営」を読んでいたら、まさにこのことが書かれていました。かの国でも昔から同じ状況のようです。

—(以下、引用)—

経営管理者は人を操ろうとしてはならない。一人ひとりの仕事について、動機づけし、指導し、組織しなければならない。そのための唯一の道具が、話す言葉であり、書く言葉であり、数字の言葉である。

仕事の成果は、聞き、読み、話し、書く能力にかかっている。

経営管理者に必要なスキルのうち今日の経営管理者に最も欠けているものが、この読み、書き、話し、数字で表す能力である。

経営管理者は、話し言葉や書き言葉によって人を動機づける能力がなければ成功しえない。

—(以上、引用)—

現代人は、命令するだけでは能力を発揮しません。心の底から納得し、内発的な動機付けを持って自ら動くようになれば、放って置いても大きな能力を発揮します。

そのために人の上に立つ人にとって必須なのが、この「聞き読み話し書いて数字で表現する」なのです。

逆に考えれば、地道に「聞き読み話し書いて数字で表現する」能力を身につければ、人の上に立った時に大きな武器になります。

ドラッカーはそのための方法も紹介しています。

—(以下、引用)—

それらの能力は若いときにこそ学んでおかなければならない。

自らの考えを表現する方法、言葉とその意味、文章を書くことを教えることである。

自らの論文についての口頭による説明ほど、若い人が経営管理者になるための準備として有効なものはない。ただし卒業直前の一回だけでなく、常時行わせる必要がある。

—(以上、引用)—

つまり内容をチェックする相手を立てた上で、文章と口頭によるアウトプットが有効だということです。

ドラッカーは「若いときにこそ学ぶべき」と言っていますが、これは現役ビジネスパーソンが能力を鍛える上でも、役立つ箴言だと思います。


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