演じても、すぐバレる理由


人間には他者のわずかな感情や行動の表現を読み取る仕組みが備わっています。

瞬時かつ無意識に、他人の行動や感情に対して脳が反響するのです。

他人の笑顔を見ると無意識にこちらも笑顔になったり、つくり笑いを見ると無意識に不快な感じがしたりするのもこのためです。他の誰かが感情を押し殺し怒っていると、自分では気づかなくても血圧が上昇することもあります。

これは共鳴(レゾナンス)と呼ばれるプロセスです。

リーダーの中には「自分は完璧で、知的で、強いリーダーだ」とムリに見せようとする人がいます。しかしそんな人に対して私たちがビミョーな違和感を覚えるのも、この共鳴のおかげです。

私たちは相手を一瞬見るだけで無意識に本心を偽っている人がわかるのです。要は「ウソはすぐバレる」ということです。

逆に弱みを隠そうとしないリーダーと接すると、私たちは「この人はウソを言わない。誠実で信頼できる人だ」と敏感に察して、心地よさを感じるようになります。そして部下は、そんな上司を思い浮かべるだけで、ポジティブな感情がわいて絆も感じるようになります。

もちろん「弱みしかない」のリーダーはちょっと考えものです。しかしどんなに強い人でも必ず弱さはあるもの。その弱さは、必ずしも隠し続ける必要はない、ということです。

演じていても、すぐにバレます。 一方で首尾一貫した言動をする人に対しては、人は信頼感を持つようになります。 そのためにも、常に率直なコミュニケーションを心がけたいものです。

 

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