2年前買ったKindleに、改めてGlobalで闘う戦略を見る


こちらで書きましたように、私は2年前にKindleを買いました。

そこで驚いたことがあります。

当時(今もですが)、Kindleは日本でサービスしていません。そこで米国Amazonで注文しました。つまり米国で販売しているものと同じ製品です。

日本の自宅で小包を開いてスイッチを入れました。すると勝手に3G回線に繋がりダウンロードを開始しました。

米国で販売しているKindleが日本の電話回線にそのまま繋がるということに驚きました。(ちなみにこの回線料金はAmazon持ちです)

つまり各国語仕様のKindleを作っているのではなく「ハード本体はノー・カスタマイズの単一製品」を世界に供給しているということです。

 

やや古い記事ですが、週刊東洋経済 2011.8.27号の特集「10年後に食える仕事食えない仕事」で、グリーの田中良和社長が以下のように語っておられます。

—(p.51から引用)—

フェイスブックやツイッターを見ていると、国を意識しないグローバルビジネスもあるんだなと思う。双方ともフィリピンやベトナムの違いを意識しながら、細かくローカライズしてきたわけではないのに、1〜2年で数億人まで会員を増やしている。それを見ていると、製造拠点を作って、人脈を作って、カスタマイズしてと言っている時点でナンセンスだなと思う。細かくローカライズしなくても済むような製品力をつけることが、本当のグローバル化なんだと感じる。

—(以上、引用)—

従来型のカスタマイズやローカライズは、大きく変容していくということですね。

 

これは企業の「多国籍企業」「グローバル企業」の違いのアナロジーでもあると思いました。

「多国籍企業」では、本国の本社のコピーを各国に作ります。つまり本社が本国で持っている部門のコピーを各国に作り、各国の文化や制度に細かく適合させます。

その次の段階の「グローバルカンパニー」では、世界で一つの会社を作り上げます。その業務を行うために最適な地域が、世界全体にサービスを提供します。言い換えると各国は必ずしも全ての部門を持たず各国同士で機能を融通します。例えば日本IBMはセールスの業務支援は大連から行っていますし、人事のアドミ業務支援はフィリピンのマニラから行っています。

 

グローバルを意識してビジネスをせざるを得ない現代、私たちは大きな発想の転換をする必要があります。