ほとんどの人は少しの手間を惜しみ、読書で損している


人は自分の体験から、様々な学びを得ます。
しかし体験できる量には、限界があります。そこで役立つのが読書です。

読書による仮想体験は、自分の直接体験と比べて質は劣りますが、限られた時間内で圧倒的な量の学びを得られます。

「学び」という点で、読書は時間当たりのコスパはかなり高い投資です。

読書の学びは、ちょっとしたことで最大化できます。
心理学者アドラーは著書「本を読む本」という本で、そのヒントを紹介しています。一部を引用します。

「ドライブに行くまえに道路地図を調べるようなつもりで、目次を見るとよい。たいていの人は必要に迫られるまで目次を一瞥すらしないのはあきれる」(p.41)

「著者は読者にこれから読む本の種類をわかってもらうことが大切だと考えている。だからこそ手間をいとわず序文を書いたり、表題や目次にくふうを凝らす」(p.73)

私も本を書く時は、目次や序文、さらにタイトルや表紙の帯などは、編集者と相談しながらかなり時間をかけて作り込んでいます。

これらは本当に読んでいただきたい読者に本を届けるためのメッセージなのです。

しかし、目次や序文をあまりチェックせずに本を読み始める人は多いのではないでしょうか?
これらを見ないのは貴重な自分の時間をドブに捨てているようなものです。

私は本を読む際には、序文や目次、あとがきなどをかなり細かくチェックした上で、読み始めるようにしています。
ネット上の書評などもチェックします。ただネット上の書評は、本の内容を正確に紹介せずに思い込みで書いている場合も決して少なくないので、「信頼性は6−7割位だろう」と思いながらチェックしています。

しかしそれでも読み始めて「でもなんか違う」と思うことがあります。
その場合は、その時点でそれ以上読むのは止めます。
読書は自分のかけがえのない時間を使います。
時間を使って読んでも得られるものが少なければ、その時間とかける労力はムダになってしまいます。

「読書は時間投資」という意識は、大切だと思います。

 

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