最近、ファミマに入って目立つのが、店の天井近くにある大きなディスプレイです。これ、電子看板(デジタルサイネージ)っていいます。
ファミマはこのデジタルサイネージを将来の収益の柱に育てようとしています。
2023年7月14日の日経MJの記事で、ファミマのデジタルサイネージの最新状況が紹介されています。
・ファミマ店舗には一日1500万人以上が訪れる
・コーラとファミチキの販促企画では併買率は6〜7倍に
・広告収入はFC加盟店舗に還元
・現時点で、全店舗の3割弱となる4600店舗に設置
・23年内に1万店に増やし、加盟店の売上増の一手とする
・5年後に事業利益100億円を目指す
ここから学べることは、「人が集まる場は、お金を生むメディアに変わる」ということです。
ファミマには、ファミマで商品を買う気になっているお客が来ています。分かりやすく言えば、「普段は固い財布の口が、半分開いている状態」です。そこで特定商品のメッセージを流すことで、その商品を買う可能性が一気にアップします。
永井経営塾6月のライブで詳しくお話ししましたが、他にも様々なモノが広告として収益を生み出しています。たとえば
・ゴルフカート…ゴルフする人に、ディスプレイでCMを見せます。ゴルフ場でカートに乗っている時間は合計60-90分。ゴルフをする人は富裕層や経営層。購買力が強い人たちに、ピンポイントでリーチ可能です。「ゴルフカートビジョン」という会社は、9ゴルフ場587台のカートを展開中、月間リーチ人数は27000人です。
・商業施設やオフィスの個室トイレ…トイレの落書き、つい見てしまいますよね。公衆トイレの中はお一人様時間。しかも性別が分かれてます。オフィスビルなら年収水準や仕事などの属性も絞り込み可能。
・アパホテルのプール広告…アパホテルは、経営難のホテルを買収し、黒字化させています。買収するホテルの多くは、屋外プールがあります。そこでプール黒字化のために、企業名を付ける広告事業を展開しています。たとえばポカリスエットプール、ビックリマンプール、味ぽんプールなど。
あなたの会社でも、「共通の属性を持つ人たちが集まる場を、お金を生むメディアにできないか」と考えてみると、面白いかも知れませんね。
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