7月2日のワールド・カップ準々決勝、「ドイツvsアルゼンチン」、「フランスvsブラジル」は、いずれもまさに「死闘」という名前が相応しい好ゲームでした。ワールドカップの準々決勝は好ゲームが多いようですね。
ドイツは、GKレーマンが2本のPKを見事に阻止して、一躍国民的ヒーローになりましたが、7月3日・日本経済新聞・夕刊(共同通信)によると、ドイツのビアホフ・マネージャーは記者会見で「相手がPKをける順番、ける方向は事前に全て分かっていた」と言ったそうです。
ドイツは、アルゼンチン代表選手がPKでけった過去2年分のデータを全て収集、ビデオに編集し、GK達に見せた上で、決勝トーナメントの前には、既にPK戦になった場合の相手キッカーの順番も伝えていたとのこと。
おかげで、レーマンはアルゼンチンの4本のキック全て球が来た方向に飛びました。アルゼンチンのGKフランコが4本のうち3本で逆を突かれたのと好対照です。
野村ID野球を彷彿とさせる話ですが、旧西ドイツ時代から、ドイツがワールドカップのPK戦で4戦全勝となっているのも、このような積み重ねが勝因の一つと思います。
PK戦は試合のごく一部。ドイツは他にも膨大な量のデータを分析して、試合に臨んでいる筈です。
まさに「お見事」だと思います。
これと全く同様に、ビジネスの世界でも、市場調査と分析は非常に重要です。
ポイントは、単に市場調査の情報を入手するだけで満足するのではなく、その情報が自分達にとってどのような意味があるのかを真剣に考えた上で、アクションを取ることです。
ドイツ・チームの場合は、ドイツの「偵察部隊」が入手したデータを分かり易く編集加工して選手に見せて、対策を立てることで、勝利に繋げました。
私達スポーツファンから見ると当然のことが、私達は当事者としてビジネスの世界で同じことが出来ているのか、この機会に改めて自答したいですね。