図で整理する際に陥りがちな罠


戦略を考える際、我々はつい縦軸と横軸にパラメータを取って、マトリックスを描いてモノゴトを整理しがちです。

しかし、「ドラッカーのIT経営論:“図”をまったく使わない訳」によると、ドラッカーはこのことに警鐘を鳴らしていたようです。

—(以下、引用)—-

マトリクスであれば、ある定義にそって境界線を引く。その境界線は不変ではなく動く可能性がある。そのことを頭に入れてマトリクスを使うのであればいい。そうではなく、モデルの境界線や座標軸が絶対と思ってしまったら、大きな間違いを犯す危険がある。

モデルが便利な道具であることは間違いない。優れたモデルを使うと、物事の全体をうまく整理でき、気が付かなかった課題を見出せる。現場の各論の解決に走り勝ちな日本企業にとって、各論をいったんモデルの中に置き、優先順位や課題の整理をすることは意味がある。ただし、美しい絵を描いただけで物事は進まないし、いったん進み出したとしても絵の通りにはいかない。臨機応変が必要である。

—(以上、引用)—-

なるほど、確かにドラッカーの著書で図は見たことがありませんね。

このブログでも、市場は生き物であり、市場という地形やルールはよく変わってしまうということを書いていますが、ドラッガーが指摘しているように、この市場のルールに基いて作ったモデルは、ルールが変わると当然変わることになります。

従って、一旦描いたモデルを金科玉条とすることなく、モデルには賞味期限があるということを十分に理解した上で活用したいですね。

さらに一歩進んで、自分で作ったそのモデルを自ら破壊して新しいモデルを作れるようになりたいものです。