大リーグが14年で売上5倍に伸ばした理由


1993年、大リーグの売上は12億ドルでした。これが今季は60億ドルを突破します。14年で5倍。これはすごい成長ですね。

このことについて、福岡ソフトバンクホークス取締役小林至氏が本日(2007/11/20)の日本経済新聞に『スポートピア MLBの復活 教訓に』というコラムを書かれています。

—(以下、引用)—-

 興味深いのは、これだけ劇的な変貌を遂げるのに、MLBが何かを発明・発見したわけでも、魔術を会得したわけでもなく、やるべきことを迅速に実行した結果だということ。基本的には顧客=ファン、スポンサーのニーズを的確にとらえ、反映させ、そのうえで需給を制御して価値を高める権利ビジネスの王道を粛々と行った。

—(以上、引用)—-

「成功の秘密」は、実は「当たり前のことを当たり前にやること」ということは、私も実際の仕事でいつも実感しています。

私は、「当たり前のことを当たり前にやる」ために必要なことをあえて三つに絞ると、下記になるのではないかと思います。

1.一番最初の問題の定義と、関係者との徹底共有
2.仮説検証を実践していくガバナンスの仕組みの定着
3.トップのリーダーシップ

1.一番最初の問題の定義と、関係者との徹底共有

戦略を実行する上で、この段階が一番大事なのではないでしょうか? 最初に解決すべき問題が定義できれば、その問題解決方法は色々な選択肢がありますので、状況や環境に併せてそれを順次試していくことになります。

2.仮説検証を実践していくガバナンスの仕組みの定着

上記1.とも関係しますが、選択肢も無作為に試していては結果に繋がりません。

例えば3ヶ月間というように期間を区切り、最初の月に仮説(課題解決手段)を立てて、実行し、3ヶ月目の最後に結果を検証し、そこから学んだ結果を次の3ヶ月の戦略に反映する、というPDCAのサイクルを確実にかつ迅速に回すことが必要です。

3.トップのリーダーシップ

実際にこれを進めるにあたっては、現場の状況とそぐわないことも沢山出てきます。このような状況でも実施し続けるには、組織全体を束ねるトップの強いリーダーシップが必要不可欠です。

 

ちなみに、先の記事を書かれた小林さんは、MLBの来年以降の最重要課題が試合時間短縮であり、MLBが既に20分近く縮めて2時間50分台を実現していることに触れた上で、日本の状況を下記のように述べられています。

—(以下、引用)—-

 我々日本軍は「時短」の認識はあるものの、現場との調整などで、いまだ3時間10分を切れず。各方面への気遣い、現場の尊重が日本の良さではあるのだが….。

—(以上、引用)—-

日本の良さである現場の強さを活かしながら、いかに変革を進めていくか….難しい課題ですが、両立することでMLB以上の成果が生み出されるのではないでしょうか。