1月22日のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」は、「イチロー・トークスペシャル」でした。
こちらに番組の内容が公開されています。
これに先立って、1月2日にもイチロー特集がありました。その放送の内容は、「正月早々、イチローに圧倒される」に書かせていただきました。
前回の放送で、イチローは「達成感はほとんどない」「星(自分が目指す先にあるもの)は見えない。真っ暗だ」ということを語っていました。
達成感がなくて、どのようにして最高のものを妥協なく目指し続けるモチベーションを維持しているのか、私は前回の放送では分かりませんでした。
今回の放送では、そのカギとなる話がありました。
—(以下、引用)—
茂木さん 「イチローさんが星が見えないというのは、自分でも分からないものを追い求めているからなんですか?」
イチロー 「分からないですね。ただ、満足をしてはいけない、ということではないんですよ。満足はボクは重ねるべきだと思っているんですよ。じゃないと、人間のやる気なんて起きないですよ。」
「何かを達成したときに、『いや、まだまだ自分はこんなものではない。まだまだ、上に行きたいんだ』戒めること。ま、よくありますよね。でもそれはね。ボクは自分を苦しめるだけだと思うんですよね。何かをしたら、もう大きな満足をしたらいいと思うんですよ。」
「その後でまた何かが出てくるんですよ、満足した後って。必ず出てくる。だからボクはそれでいいと思っているんです。ボクはすごい満足人間って言うか、めちゃくちゃ満足するんですよ」
住吉さん 「へぇー」
イチロー 「満足しないなんてこと、考えられないですよ。」
茂木さん 「しかも、一度満足しないと、その次が見えない、ってあるんですよね」
イチロー 「そうなんですよ。だから、次に進むためにも満足をしたいんです。ボクは。だから星がひょっとして具体的に見えたとしても…。それに到達した、と。でも到達したらしたで見えてくるもんですよ。」
住吉さん 「生涯かけて追い求めた結果が何かあるってことは、信じていますか?」
イチロー 「ある『かも』、しれない」
住吉さん 「かも?」
イチロー 「多分、ないと思っています。ない方に近い。でも、ちょっとボンヤリとは見たいな、と思いますね。」
住吉さん 「…..ないかもしれないのに、どうして頑張れるんですか?」
イチロー 「…ある『かも』しれないから。ははは」
—(以上、引用)—
インタビューを見て、もしかしたら、イチローが一番好きなのは、実は自分自身なのではないか、と思いました。
⇒大きく自己満足をする。
⇒自分自身を徹底的に肯定する。
⇒しかし、現状に留まることで満足することなく、常に上を目指し続ける。そのために、現状そのものを否定し、努力を続ける。
多分、これを愚直に繰り返しているのでしょう。
「自分のやり方を貫く方法」について語っていた内容も素晴らしく、姿勢を正して拝聴しました。
・自己評価が一番厳しいこと
・さらに結果を示すこと
・その上で、言葉で説明できること
・自分の可能性を拡げるには、自分で自分を教育していくしかない
イチロー、本当にナイス・ガイですね。
彼と同時代に生きていること自体、嬉しくなるほどです。ますますファンになってしまいました。
このような素晴らしい作品を届けて下さった番組スタッフの皆様に感謝です。