先日、某フレンチ・レストランで行われたワイン会に行きました。
ドイツの名ワインの数々と、料理の組合せを堪能した、あっという間の2時間でした。
一通り料理が終わり、デザートに移ろうとした合間に、店の方が「お口直しに、内緒のお水です」とグラスを持ってきて下さいました。
口に含んだ瞬間、とても謎めいた味がしました。
ほんのり甘さがあり、ちょっと痺れるような感覚もあり、爽やかな感覚もあり。
「これ、なんだろう?」
不思議な感覚に陥りました。
この不思議な水の正体、何だったのでしょうか?
実は、日本酒でした。
日本酒だと知って、また不思議な感覚に陥りました。
確かに「これは日本酒だ」と思って飲むと、この不思議な水、日本酒そのものの味です。
しかし、日本酒が出てくることは通常あり得ないフレンチ・レストランで、全く先入観なく飲むと、全く別の飲み物に思える。
ある程度の量のワインを飲んでいたためか、お酒だということも分かりませんでした。
この体験は私にとって非常に貴重な体験でした。
つまり、
■先入観が、実際にモノゴトを体験する前にある種の強力なイメージが自分の中に形作られ、事実を別の形に見せるということ、
■そして、その先入観が全く排除された状態では、モノゴトは普段とは全く別の形で理解される、ということ
です。
例えば、よく知っているメンバーと、新たにプロジェクトを組む場合
例えば、自分がよく知っている(と思っている)領域の仕事を久し振りに始める場合
色々な場合が考えられますが、先入観がある場合と、先入観がない場合とでは、仕事の取り組み方は、様々な意味で、全く違うのではないでしょうか?
そしてそれは、新しい発想をもらたしてくれるように思います。
私が今回体験したように、全く先入観を持たずに仕事に臨むことを意識的に行うのはなかなか難しいことかもしれません。
しかし、実際にこれが出来ると、全く新しい新鮮な世界が拡がるような気がします。