インターネット普及前夜で、ちょうど、一般の人もパソコンを使い始めた頃のこと。
私はパソコン通信で、写真関連の会議室のシスオペを担当していました。
シスオペには、会議室の参加者から様々な問合せが寄せられます。それらに対して一つずつ回答するのも、シスオペの役割でした。
ある日のこと。
問合せが自分のメールボックスに届いていたので、いつも通り開いてみたところ、1行のメッセージが入っていました。
「どうすればいいのか、分かりません」
あのぉー、えっとー。
「パソコン通信、面白そうと聞いたので、入ってはみたものの、何が何だか分からない。全くどうすればいいんだ!」とお悩みの状況、お察し致しますし、ご同情申し上げます。
ただ、このシンプルなメッセージ、お答えする立場で申し上げると、突っ込みどころ満載で、…..もとい、再確認させていただきたい部分が非常に多く、なんと申し上げたらよいやら。
まず、具体的に何をやろうとなさっているのか?
さらに現在どういう状況で、何ができないのかが分からないと、私も、どのようにご助言申し上げてよいのか、わかりません。
ということで、この問合せには、上記のことを丁寧に書いてご返事した記憶があります。
…..ご返事はありませんでした。
(そもそも、返事は読めたのだろうか?)
現代は、インターネット普及前夜と比べると、パソコンユーザーの裾野の広がりはケタが2つから3つ位多くなっています。
今までパソコンに全く触る機会がなかった方々も使っています。
「パソコンの調子が悪い」ということで、ご年配の知り合いから自宅に電話をもらうことも多いのですが、なかなか問題点が特定できません。
例えば、こんな感じ。
「アレやろうとしたら、なんかメッセージがサーっと出てきて、何も出来ない」 (ちなみに、「アレ」は何かの代名詞ではなく、本当に「アレ」と言っています)
あのぉー、ちょっといいですか?
「アレ」って、具体的に何なのでしょうか?
「サーっと出てきたなんかのメッセージ」って、どんなメッセージ?
「何も出来ない」って、何をやろうとしているの?
曰く。
「パソコンメーカーのコールセンターに2時間電話で聞いたけど、あそこじゃ全然要領を得ないんだよねー。まったく、困っちゃってさぁ」
ううむ。
そうでしょうねー。
私は知り合いだから、直接的な言い方で「だから!どういう状況なのか、ちゃんと説明してって言っているでしょ」と言えますけど。
コールセンターの人は失礼のないように質問するように教育されているので、難しいでしょうね。 こんな状況で問題点を特定するのは。
2時間も付き合わされたコールセンターの方、心よりご同情申し上げます。
ちなみに、コールセンターのオペレータは、お客様が電話を切る前に、コールセンター側からは絶対に切らないように、ルールが定められているところが多いようです。
場合によっては、パソコンを梱包から解いてセットアップ完了まで、5時間も付き合わされた事例もあると聞きます。
お客さんによっては、その間に「ちょっと待っとけ」と言ってお手洗いに行ったりする人もいるそうですが、オペレータは電話の前でお手洗いにも行けず、じっと我慢です。
ということで、消費者向けのコールセンターの場合、精神的に参ってしまうオペレータの方も多いようです。
このような状況、コールセンターに限らないと思います。
ビジネスの現場も含め、世の中一般にこの手の質問が意外と多いような気もします。
ということで、答える方も結構大変です。
自分も、気が付かずに結構このような質問をしているかもしれません。
ということで、自戒を込めて、困って質問する場合は、
「どうすればいいか分かりません」
ではなく、最低限
「私はこれをやりたい。しかし、こういう状況になってしまって、xxxxが出来ない。どうすればxxxxが出来るか教えて欲しい」
というレベルの情報は、提供するようにしたいですね。
本気で「答」を得たいならば、「問」側も腕を磨きましょう
私も以前ユーザサポート的なことをやっていましたのでよく分かります。また、掲示板等でも同じような投げやりすぎる問いがありますが、是非…
昔アルバイトで、コールセンターに勤めていました。
5時間付き合った経験はありませんが、むちゃくちゃなクレームに困った事は何度かあります。
絶対サポセン黙示録
http://www.din.or.jp/~f-aniki/sc/
そういう話を集めたサイトです。けっこうはまりますよ・・・