タスク・チームを推進する際に考えたいこと、前回のおさらいです。
(1). タスク・チームの成否を握っているのはリーダー
(2). リーダーに必要な特性は下記
(2.1). グッド・コミュニケーターである
(2.2). 変革のリーダーシップがある(チームを問題解決に集中させ議論を促し、アクションを導き出す)
(2.3). 事務的な作業(アドミ)の手間を惜しまず、マメにフォローできる
(2.4). 会社の組織についてよく分かっていること
(3). リーダーは本業とタスク・チームの目標が出来る限り近い人が望ましい
今回は、リーダーが任命後に行うべき仕事です。
タスク・チームのリーダーが最初に行うべき仕事は、タスク・チームが解決しようとしている問題と目的の定義です。
「タスク・チームはどのように立ち上げるのか?」でも述べたように、タスク・チームはマネージメント同士の会議等(トップダウン型)や、現場スタッフ同士の話し合い(ボトムアップ型)でアイディアとして出されるのがきっかけとなるケースが多いのです。
基本的には、これがベースになります。
しかし一方で、このような議論をした際に、解決すべき問題や目的が明文化されていないことが多いのです。
あるいは明文化していても、検証してみると、必ずしも論理的な構造で議論されていないこともあります。
悪く言えば思いつきでタスク・チームを作ろう、という話になっている場合もあります。但し、「直感は過たない。過つのは判断である」という言葉もありますので、思いつきが必ずしも悪いという訳ではありません。
いずれにしても、タスク・チームは解決すべき問題と目的が明文化されないまま立ち上がるケースが多いのです。
この状態でタスク・チームを進めても、タスク・メンバーで目的が共有されず、議論が発散してしまうリスクが高くなります。
このような状況で、リーダーが最初に行うべきことは、タスク・メンバーが同じ理解のもとでタスク・チームに参加出来るように、解決すべき問題と目的をしっかりと明文化しておくことなのです。
この明文化の際には、タスク・チームによりどのような結果(=ゴール)を得ることを期待しているのかを明文化することがコツです。
例えば、「製品事業部A/B/Cの3部門協働による製品開発プロジェクトを年内に3件立ち上げる」といったようなものです。
ゴールを明確にし、現状を把握することで、現状とゴールのギャップも明確になり、このギャップを埋めるために何を行うべきかが分かりやすくなります。
尚、ここで定義した解決すべき問題や目的は、必ずしも金科玉条のごとく守る必要はありません。
あくまで最初の段階での仮説と考えるべきでしょう。
むしろ、後述するように、タスク・チームを実際に立ち上げて、最初の段階でタスク・メンバーと話し合う際のたたき台として考えた方がよいかもしれません。
ただ、たたき台とは言え、これがあるとないとでは、その後のタスクの進め方が全く違ってきます。
たたき台がないと、タスク・チームの最初の話し合いで目的を討議しても、なかなか結論が出ません。たとえ仮説だとしても、仮説があることで賛成・反対の意見が出やすくなり、効果的な議論を通じて効率的に議論を進めることができます。
目的に限らず、「仮説として提案を作り、タスク・チームの議論に臨む」ことは、リーダーとしてタスク・チームを進める際には常に心掛けたいことです。
関連リンク:
■タスク・チームのススメ(1):タスク・チームって何?
■タスク・チームのススメ(2):タスク・チームはどのように立ち上げるのか?
■タスク・チームのススメ(3):リーダーを決める