先週金曜日のオルタナティブブロガー定例会議で、looopsの斉藤さんのご講演
『ソーシャルメディア時代の企業ブランディング』
~コントロール不能なクチコミと仲良くするために~
をお聞きしました。
斉藤さんもブログで資料を公開されています。
まさにタイトルの通り、ソーシャルメディアを企業ブランディングで活用していくべき方法論を明快に提示されたご講演でした。
講演では、looopsさんご自身が、即効性はある一方で支出がかかる従来型コミュニケーションメディアを2009年から一切止め、即効性はないものの支出がかからず長期的な顧客との関係構築可能なソーシャルメディアに全面的に切替えられた理由も説明されていました。
looopsさんが狙う顧客は、従来型のコミュニケーションメディアでは十分にカバーできないアーリーアダプター層です。
この顧客層は、広告やセミナー等の「受け身型」メディアには、必ずしも影響されません。
自分から能動的に情報を探しに行きます。
このような顧客層に対しては、ソーシャルメディアにより、価値ある情報を無償で惜しみなく出し続けることが、とても大切になります。
そのような価値を認める顧客層が、固定ファンになるからです。
looopsさんご自身、そのようなlooopsさんの価値を認めていただける顧客との長期的な関係構築を望んでおられるとのこと。
このような関係が構築できると、looopsさんは顧客にとってオンリー・ワンの存在となり、価格競争とは無縁のビジネス展開が可能になります。
ソーシャルメディアで無償で価値ある情報を出し続けることで、結果的にlooopsさんご自身と、looopsさんの価値を認める顧客が、相思相愛の関係になる訳ですね。
しかし、このようになるまでは、『忍耐』が必要だったとのことです。
実際には、従来型の広告の効果が年々下がっていき、2009年には費用対効果の観点で、広告にお金を掛けられなくなったという現実的な事情もご説明がありました。(このように費用対効果を時系列で把握されているのもさすがです)
また、2009年4月にブログを書き始め、若干の問い合せはあったものの、実際に十分な効果が出始めたのは2010年のゴールデンウィーク明けだったとのお話しもありました。
1年以上かかっています。
ソーシャルメディア自体が即効性があるメディアではない、ということですね。
いわゆる『ウィッフィー』が蓄積するまで、まる1年間が必要だったということになります。
逆に、このような蓄積を行えれば、それ自身が差別化要因になるということでもあります。
このように考えると、ソーシャルメディアのビジネスでの活用は、忍耐力があるかどうか、ということなるのかもしれませんね。