以前書きましたように、インド・インフォシステクノロジーの2006年度新卒採用人数は36,700人。応募人数は1,302,400人。
日本の1学年全員を超える人数の修士号・博士号を持つ方々が応募し、35倍という激烈な競争を勝ち残って入社しますが、その後の新入社員研修も厳しく容赦なく落伍させられるそうです。
しかも、あくまでインドの一企業での話。
同じようなスケールで、グローバルレベルで激しい競争をしている企業が、世界には沢山あります。
これは発展途上国での出来事…、と言いたいところですが、もはや彼らは先進国の仲間入りを果たしつつあります。
一方で、わが国・日本。
7月26日の日本経済新聞の社説「ニッポンを一歩前に――リスク恐れず世界で商機得る人と組織に」を読んで、この問題意識を新たにしました。
—(以下、引用)—
自動車では、独フォルクスワーゲン(VW)のヴィンターコーン社長が「もはや日本のメーカーには脅威を感じない」と語る。新興国市場に成長の重心が移ってから、日本企業の販売の伸びはパッとしないという意味だ。一方でライバル視するようになったのは韓国の現代自動車。中国や南米、アフリカで急速に販売を伸ばし、VWとぶつかっている。
(中略)
日本は日本人の新卒一括採用、年功序列型の人事制度を真ん中に据えたままだ。リスクを取らない傾向が以前よりも強まり、これが日本の最大の弱点との指摘もある。人づくりのあり方で見直すべき点は多い。
(中略)
日本の本社にいるだけでは世界の動きは見えない。グローバルに活躍できる人材を確保して激しい変化についていき、リスクをとって一歩前に出ていく企業に――。人事と組織のあり方を見直し、これからの成長の土台づくりを進めよう。
—(以上、引用)—
主に経営者向けに書かれていますが、個人レベルでも、自分はグローバル化をどのように対応していくか考えたいところです。
「より努力したモノ(=人、企業、町、国)が、豊かになる」
これは単純な事実だと思います。
世界の距離がどんどん狭くなり、フラット化が進んでいる現在、この傾向は強まっています。
努力と言っても、単純に、「長時間働くとか」、「滅私奉公せよ」ということではありません。
自分として、グローバルな視点を持ち、自分の将来のキャリアを考えながら、主体的に仕事に取り組んでいるか、ということだと思います。
新聞を読む時に、少しづつでも、世界を意識してみると、だんだんとモノの見方が広がるかもしれません。