8/22の日本経済新聞の記事「インタビュー領空侵犯 ワーカホリックも悪くない」で、元国連事務次長の明石康さんが次のように語っています。
—(以下、引用)—-
―ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)に違和感があるとか。
「生活の充実があってこそ人生の生きがいや喜びは増すので、仕事と生活の比重を程良く保つのが大切だとワーク・ライフ・バランス論者は主張します。その中で仕事に比重を置いた人生がまるで悪であるかのような批判を聞きます。でも仕事に没頭する人生は本当に間違いなのでしょうか。働く意義を軽んじている印象をワーク・ライフ・バランス論から受けます」
(中略)
「ワーク・ライフ・バランス論を聞いていると、仕事と生活はまるで水と油、相いれぬ対立関係にあるように扱われます。しかも仕事は苦しみで、オフタイムの生活が楽しみであるかのようにいわれます。それは一面的な見方です」
—(以下、引用)—-
この考え方に、共感します。
確かに、「ライフワークバランス」というと、仕事とライフワークやプライベートを水と油のように別物と考える傾向があります。
実は私も、20代・30代の頃は、ライフワーク(私の場合は写真)と、仕事は全く別だと考え、お互いに自分の中で別キャラクターとして区切って考えていました。
しかし活動を続けているうちに、実は仕事もライフワークも、深いところで繋がっている、と感じるようになりました。
例えば、写真展を開催する場合、40点程度の作品が必要になります。ここで注意すべきことは、単にいい写真だけを並べればOKではない、ということです。40点の作品に一貫したテーマ、ストーリーが求められます。このような価値を生み出すことで、作品を見てくださる人が感動するのです。
音楽の演奏会でも同じです。
このように何らかの価値を生み出し、そのことにより、相手が感動する。
考えてみれば、これは仕事でも同じですね。
実は現在の私は、心の中では、ライフワークと仕事の境界線はありません。
写真も、本の執筆も、演奏活動も、会社での仕事も、同じ「ライフワーク」という大きな括りの傘の下です。
もちろん、仕事や業務で知りえた機密情報は、仕事以外では使いませんし、会社での業務時間は会社の仕事以外はしない、というルールは当然守ります。
しかし、仕事で自分が学んだことはライフワークで役立ちますし、ライフワークで学んだことは仕事でも活かしています。
たぶん、明石さんがこの記事でおっしゃろうとしていることと、私のこの意見は、微妙に視点が異なるのではないかと思いますが、
「仕事とそれ以外のものは水と油、相いれぬ対立関係にあるように扱われるのは一面的な見方」
というご意見には深く賛同します。