大震災2週間後の3月25日、「悲観主義は感情に属し、楽観主義は意志に属する」というエントリーを書きました。
暗いニュースばかりで、Twitterなどでも感情的・悲観的なつぶやきが多かったこの時期「悲観的な状況でもなるべく楽観的でいよう。それは意志の力だ。」….そう思っていたのですよね。
しかし、昨日も当ブログで紹介した田坂広志さんの講演「福島原発が開けた『パンドラの箱』」の動画を観て、もしかしたら、この考えは、自分自身の覚悟が足りなかったのではないか、ということを思い知らされました。
この動画でも田坂さんがお話になっている通り、3月末の首相官邸では「首都圏3000万人避難」というシナリオを現実に考えていた訳です。
その状況を踏まえて、現実的な対策を突き詰めた上で、なおかつ楽観的でいられる。
これこそ、「意志の力」と呼ぶのでしょう。
言うまでもなく、3月末時点の私は、そのような危機的な日本の状況を知る由もなく、「楽観主義は意志に属する」とちょっとのんきにブログに書いていた訳です。
しかし今、田坂広志さんの講演を観て、当時の状況と、現在も再び首都圏3000万人避難というシナリオがある可能性を知らされています。
このような厳しい現実を目をそらさずに受け止め、現実的な対応策を突き詰めた上で、なおも楽観的であること。
おそらく、これこそ、「意志の力」なのでしょう。
このような現実から目をそらして、現実的な解決策を突き詰められず根拠のない希望的観測に流れてしまう楽観は、「意志」ではなく「思考停止」であり「逃避」なのかもしれません。
このように考えると、この危機は、日本人が現実主義に目覚める歴史的なきっかけを与えてくれている。そう感じます。