よく「人・モノ・金」と言われます。
何かする時には、昔から必ずこの「人・モノ・金」といった経営資源が必要である、と言われてきました。
これに加えて「情報」を加えることも多いようです。正しい情報がないと、「人・モノ・金」を使っても望む結果が得られません。
これら「人・モノ・金・情報」に加えて、さらに現代では「時間」も重要なのではないかと思います。「時間」は「スピード」に言い換えても良いかもしれません。
野中郁次郎他著『戦略の本質』で、第二次世界大戦中の英国におけるレーダー開発の状況が紹介されています。
—-(以下、p.139から引用)—
レーダーの技術開発に従事した科学者の間では、完璧さを追求しないことがモットーとされた。すなわち、最良の完璧なものは、けっして実現できない。次善のものは、実現できるが、使うべきときまでは実現が間に合わない。したがって、三番目に良いものを採用して、できるだけ早くその実現を図るべきである。
—-(以上、引用)—
戦争の真っ最中の技術開発は、開発スピードが国の運命を左右する重大事。
そして環境変化が激しいという点では、現代はまさに戦争と同じ。現在のビジネスでもスピードは同様に重大事なのです。
このためには「あえて完璧を追求せず、実現することを最優先にする」という考え方も必要になるのでしょう。