米国人のコミュニケーションは比較的ストレートです。直接の質疑応答で交渉を重ねて合意に持って行きます。
一方で日本は色々なシグナルを出して相手の反応を観察しながら情報の断片を集めて、交渉を進める形が多いように思います。
両者が交渉をすると、日本人は米国人のストレートな表現を理解するものの、米国人は日本人のシグナルを読み取れず、なかなか交渉がうまく進まない、という状況に陥りがちです。
ではどうすればよいのでしょうか?
ハーバード・ビジネス・レビュー2012/10号に掲載されている論文「異文化交渉のプロフェッショナル」(奥村哲史、ジーンM.ブレット)で、そのヒントが書かれています。
—-(以下、引用)—
特定の文化圏の人間になり切る、というのはあまり現実的ではない。それよりは、自分の既存の交渉行動のパターンを知り、そこに新たな別の行動を加える、つまり行動のレパートリーを増やすことである。特に日本人にとっては、情報獲得と共有のための行動のバリエーションとして、これまでの間接型に、さらに直接型を加えていくことが重要である。
—-(以上、引用)—
最初に自分と相手は異なる交渉パターンなのだということを理解し、相手のパターンを知ることが必要と言うことですね。
論文ではさらに続けています。
—-(以下、引用)—
優れたグローバル交渉者は、行動の文化差に左右されず、交渉の基本構造に立ち返り、自他に必要な情報を掘り起こし、その有効性を丹念に確認しながら交渉を進めていく。そして、相手の目標と妥協するためではなく、自分の目標を見据え、その実現に必要な情報を獲得し、合意というソリューションに組み込んでいくのである。
—-(以上、引用)—
相手と情報を確認し合って交渉を進めていくのは、どの文化圏でも同じです。
やはり、あくまでこの基本に則ることが大切だということなのですね。