「鈴木さんは関西に住んでいるから、タイガースファンである」という議論の間違いを起こしていないか?


昨日書いたロジックの話の続きです。

下記の議論はどのように間違っているでしょうか?

A.関西に住む多くの人はタイガースファンだ。
B.鈴木さんは関西に住んでいる。
C.従って、鈴木さんはタイガースファンである。

これも次のように分類できます。

【前提】A.関西に住む多くの人はタイガースファンだ。
【事実】B.鈴木さんは関西に住んでいる。
【結論】C.従って、鈴木さんはタイガースファンである。

昨日は前提が間違っているケースを紹介しましたが、今回のケースは前提も事実も正しいですね。でも結論はなんか変です。

結論を出すロジックが間違っているのですよね。

つまりこの前提と事実からは、この結論は導き出せません。当たり前ですよね。

 

では、次はいかがでしょうか?

A.強い企業には、チーム力が必要だ
B.我が社の組織間の連携はバラバラだ
C.だから強力な組織横断部門を作ろう

これは一見正しいように見えます。そうして実際、新しい部門を創設する場合があります。でも「強力な組織横断部門」を創設して、チーム力は上がるでしょうか?

上がるとは限らないのですよね。なぜでしょうか?

この議論も、こんな構造です。

【前提】A.強い企業には、チーム力が必要だ
【事実】B.我が社の組織間の連携はバラバラだ
【結論】C.だから強力な組織横断部門を作ろう

前提と事実は正しいのですが、この前提と事実から結論を出すロジックに無理があるのです。

ポイントは「組織間の連携がバラバラ」な理由が、本当に組織横断部門がないのが原因なのか、ということです。

もしかしたら、個人毎の評価方法の問題かもしれませんし、部門間の利害対立があるのかもしれません。

ですので、問題を起こしている原因をもっと分析しないと、この結論は出ないのです。

冒頭の「鈴木さんは関西に住んでいるから、タイガースファンである」という議論と同じ間違いを起こしているのですよね。

 

昨日は議論の前提が間違っていましたが、今回は議論のロジック(事実の原因深掘り)が間違っているケースです。

机上の空論に陥ることなく、ロジカルに議論を重ねていくことは大切なのですね。