ビジネスコンサルタントの細谷功さんが、ITproの記事『3年で辞めないための新入社員へのアドバイス 「無知」と「未熟」は武器になる』で次のように語っておられます。
—(以下、引用)—
生卵はゆで卵にもスクランブルエッグにも目玉焼きにもなれますが、一度ゆだってしまった卵は二度と生卵になることはできません。つまり「成熟する」ということは、後戻りができなくなるということを意味します。逆に言えば「未熟である」皆さんにはこれから「いかようにも化けることができる」限りないチャンスがあるということです。
—(以上、引用)—
「若いこと自体が、可能性ある」ということをこれほど的確に表現した言葉は、出会ったことがありません。
私も実感しています。
以前、高校生300人にマーケティングのお話しをした時にアンケート結果を見せていただきました。
参加された方々にとって、恐らく「マーケティング」を初めて学んだ場だったかと思いますが、「マーケティングってすごいと思った」「お客様第一で考える必要があるのは学園祭や大学受験でも全く同じだ」「大学で学びたい」といったご感想を沢山いただきました。
若い人は、まだ色々なことを知らない状態だからこそ、素直に新しいエッセンスを理解し、吸収し、自分の次の行動にすぐに繋げられるのですね。
一方で歳を取ると、分かっていても経験が邪魔をしてなかなか行動に繋げられなかったりするケースが多くなります。
もちろん歳を取って成熟していても、中にはとても柔軟に行動を変える方もいます。ただこれは、若い頃と違って努力を必要とします。
新社会人の皆様は、社会に出てまだ2週間で色々と新しいことに出会っている最中かと思いますが、是非貪欲に吸収していただければと思います。
一方でいつまでも未熟なままでいる訳にはいきません。そして、周りの状況に慣れてある程度のことを吸収するには時間がかかります。
記事のタイトルにもあるように、最初はちょっと辛いかもしれませんが、最低3年は頑張っていただくと、より多くのものが吸収できるし、それは長い目で見ても自分の人生にとって意味があると思います。
「生卵はゆで卵にもスクランブルエッグにも目玉焼きにもなれますが、一度ゆだってしまった卵は二度と生卵になることはできません」
わかりやすくていい例えですね。
学生「先生、僕はまだ未熟な生卵でいしょうか?」
先生「君はもう半熟卵だ」
なんて、禅問答みたいで楽しいです。
生卵の時ならまだ、自分は今後、ゆで卵を目指すのか、スクランブルエッグを目指すのか考える事ができるのですね。選択肢が多くてうらやましい…。
でも、ゆで卵になったらなったで、今度は、生卵の時にはなれなかった、煮玉子やおでんの具という「次のステップ」を目さす事ができる。いわば「ゆで卵道」を極めていく事ができるわけで、それはそれで面白いかも知れません。
西沢泰生