顧客起点の企画書をいかに作るか?


2013/4/16の日本経済新聞の記事「通る企画書ここが違う」で、ヒット商品を開発した現役ビジネスパーソンによる企画書の作り方が紹介されています。

サントリーで「ハイボール」の火付け役になった竹内淳さんは、日々飲食店などの現場を回ってヒントの種を探索しているため「社内でなかなかつかまらない男」として知られているそうです。

—(以下、引用)—

「上司は現場に行けない。だから私がいる」。上司でも消費者が発した言葉に異を唱えることは難しい。企画書には現場で撮った写真や拾った声を落とし込み、データは足で稼いだものを積み上げる。ハイボールを広めたジョッキで飲むスタイルも、自らアンケートを作って飲食店の軒先に立ち、客に聞いたなかから生まれた。

…誰よりも現場を知っているという自負と、洋酒文化を広げたいという信念が、竹内さんを突き動かす原動力だ。

—(以上、引用)—-

企画書の大きな目的は、社内各部門の同意を得て、人・モノ・金をつけて、プロジェクトを動かすこと。

「顧客の生の声」が至る所に反映されていて、かつ顧客の言いなりにならずにそれを十分に考え抜き消化した企画書。

これはとても強い企画書であり、社内の同意を得るにあたって絶大な威力を発揮します。

 

また、日立アプライアンスで商品計画部長を務められ、白物家電のヒットを飛ばしている漆原篤彦さんの例も紹介されています。

—(以下、引用)—

会議などで自分の企画を通すために編み出したのは「最初に本物同等の出来栄えのカタログを作る」ということだ。

「こんな製品があったらいいな」というイメージをもとに、(中略)約2ヶ月間でカタログを作り上げ、実際に見せながら新商品のプレゼンテーションをする。

—(以上、引用)—-

実際に顧客が商品を知るのは、カタログです。

カタログから始めることで、まさに顧客起点の商品開発が可能になります。そしてカタログはいずれ作成するもの。

カタログから始めるのは非常に理にかなった方法であり、私にとってはまさに「コロンブスの卵」的な発想でした。

記事では、他にもカタログ作りで商品企画を進める効用を紹介しています。

—(以下、引用)—

「カタログは分かりやすく製品の魅力を伝える最適な手段」と漆原さんは話す。カタログでは写真やグラフ、簡潔なフレーズを通じて、製品の特徴を端的にまとめる。通常は製品の開発が済んだ後に作ることが多いが、最初にカタログを作れば「全員でゴールをはっきり共有できる」と話す。

—(以上、引用)—-

この記事には明確に書いていませんでしたが、私は両方のケースに共通するのは、「顧客起点」ということではないかと思いました。

顧客起点の企画書を作るには、実に様々な方法があることがよく分かる良記事でした。