最近、日本で改めて「イノベーションをいかに生み出すか?」が大きなテーマになっていると感じました。
2013/4/22の日本経済新聞のコラム記事「経営の視点 ツイッター生まれない日本 革新を拒む前例主義」も、イノベーションがテーマになっています。
—(以下、引用)—-
米国にはその良さをすぐに認め、メインストリームに引き上げる柔軟さがある。日本の場合、破壊的イノベーションはしばしば硬直性に阻まれる。「前例がない」という理由で古いシステムにしがみつく傾向がある。
—(以上、引用)—-
日本がまだ敗戦のダメージから立ち直れなかった1950年代、当時の最新技術トランジスターの可能性に目をつけて、いち早くトランジスターラジオを生み出したソニーのように、日本でもかつて沢山のイノベーションが生み出されていました。
一方で私たちも「前例がない」とは明言しないにしても、破壊的イノベーションの価値がなんとなく分かっていても、従来の既成概念に安住し勝ちです。
既成概念に安住してしまうことがイノベーションを阻んでしまう一つの要因です。
—(以下、引用)—
(アンドロイドを開発した)ルービン氏と(スカイプ創業者の)ゼンストローム氏がそろって強調したのは「アジリティ(敏捷性)」だ。デジタルの時代はめまぐるしくトレンドが変わる。「最初に立てた計画に固執していたら成功できなかっただろう」(ルービン氏)
—(以上、引用)—
アンドロイドは当初デジカメ向けソフトでしたが、開発中にスマホに移る市場の変化を見て戦略を切り替えたそうです。当初の計画に固執せず、世の中のトレンドに合わせて柔軟に変えていくことが必要なのですね。
記事ではMITメディアラボ所長の伊藤穣一氏のコメントも引用しています。
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「僕が成功したのは日本で一切、教育を受けなかったから。幼児は好きなときに好きな絵を描くが、小学校に入ると、勝手なことをしちゃだめ、とクリエイティビティ(創造性)をつぶされる。だから日本人は大人になると誰も絵をかかない」
—(以上、引用)—
幼児は真っ白な紙を渡されると嬉々として色々なことを描き始めます。私は自分が子供の頃に描いた絵のスケッチブックを見返したことがありますが、とても自由に色々なことを描いていました。
しかし大人になって真っ白な紙を渡されると、私たちはどのようにするでしょうか?
もしかしたら、「何を描けばいいのか?」と、戸惑うかもしれませんね。
記事では「日本人の創造性を解き放つ制度改革につなげたい」と締め括っています。
確かに制度改革も必要ですが、クリエイティビティは結局、個人から生まれるものです。
私たち一人ひとりが真っ白な紙を渡されて色々なことを描ける大人であり続けるような感性を持ち続けたいものです。