2013/7/2の日本経済新聞の記事『経営書を読む 「ブルー・オーシャン戦略」』で、慶応大学ビジネススクールの清水勝彦教授が次のように書いておられます。
—(以下、引用)—
最も大切なのは「資源の少なさや抵抗を言い訳にしないこと」です。組織改革にしても新しい戦略の実行にしても、抵抗があるのは当たり前。できない言い訳にしてはなおさらだめです。
—(以上、引用)—
まったく同感です。
ある程度の大きさの企業であっても、資源や予算・人員が潤沢にあることは稀です。私自身、何か始めるときにはヒト・モノ・カネが非常に限られた中でやり繰りしていました。
また、抵抗がないケースも稀です。組織や人は、今と同じことを続けようとする性質を持っています。組織は、そもそも新しいことをしようとしても、なかなか動かないように出来ているものなのです。
だから新しいことをやろうとするときに、「ヒト・モノ・カネがない」「xxxが抵抗してできない」ということは、当たり前なのです。
「あ、今度新しくそれをやるの?じゃぁ、ヒト・モノ・カネはこれだけ使っていいよ」「どんどんやりなさい。サポートしてあげるから」というようなことは、残念ながらほとんどありません。
そういう中で、どうやって知恵を絞り、一歩を踏み出すかが大切なのです。動き始めて成果が出てくれば、ヒト・モノ・カネは自然とついてきますし、当初の抵抗も弱くなっていきます。
では、どうすればよいのか?
記事では具体的に処方箋を書いています。
—(以下、引用)—
そうした..ハードルを乗り越えるのがティッピング・ポイント・リーダーシップです。それは「どのような組織でも、一定数を超える人(一般的に2割などといわれます)が信念を抱き、熱意を傾ければ、そのアイデアは流行となって広がっていく」のを認識し、「拡散でなく集中」を考えるリーダーのことです。
—(以上、引用)—-
全員ではなく、全体の2割程度の人たちに働きかける。但し機会は公平に提供し、強制せずに自発性に任せる。そして継続する。
ささやかな例ですが、私自身も経験しています。
私の場合は、職場での早朝勉強会でした。
社外から選りすぐりのゲストスピーカー(オルタナブロガーの坂本さん・大木さん、他にも、ライフネット生命の出口さん、かものはしプロジェクトの村田さん、松山真之助さん、辻口さん、ループスの斉藤さん、元日本IBM会長の北城さん)にご協力いただき、全員にご案内して実施。それを1年間継続しました。
早朝から集まったメンバーは2割程度でしたが、確かにこの2割の人たちを中心に、徐々に組織の雰囲気が変わり、広がっていくことを実感しました。
たとえヒト・モノ・カネがなくても、抵抗が大きくても、やり方次第で改革する方法は必ずあります。
小さくても、まずは第一歩を踏み出すことが大事なのではないかなと思います。